TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

sm.kr

一覧ページ

「sm.kr」のメインビジュアル

sm.kr

2 - 第2話

♥

720

2024年10月24日

シェアするシェアする
報告する

彼の手を取ると、そのまま優しく握りどこかへと進んでゆく。


俺の後ろから、先程の2人の男性もついてくる。


kr「…あの、どこへ行くんですか?」

??「…。」


そう言っても、彼は何も答えてくれない。


…さっきまでは答えてくれていたのに…。


少し歩くと、徐々に人とすれ違うことが増えてきた。


みんな、彼に「お疲れ様です」と言い、深いお辞儀をしている。


…彼は偉い人なのだろうか…?


よくよく見ると、少し服が違うように見える。


すれ違う人達は黒のスーツに黒のネクタイ。

後ろにいる2人は黒のスーツに、水色のネクタイと青色のネクタイ。


彼は黒ではあるけれど、他の人達と同じような漆黒の黒ではなかった。


…これは…鮫…?


何やら模様はあるが、少し見にくく分かりずらい。


それに、ピシッとは着ておらず、腕を通さず肩にスーツをかけていた。

そして、緑色のネクタイ。


…何かの組織だったりするのだろうか…?


みんなスーツで、彼に挨拶をして…。


…そういえば水色のネクタイの人に「ボス」って呼ばれてたよな…?


そんなことを考えていると、大きな扉の目の前まで来た。


彼は迷わずにその扉を押し、開ける。


後ろの2人は深いお辞儀だけをし、部屋には入ってこなかった。


バタン

??「…ここが俺の部屋。覚えたか?」

kr「…ごめん。考え事してて何も覚えてない。」


そう言うと


??「はは笑 正直だな笑」


と、面白いものを見たかのように笑った。


…この人も笑うことはあるんだ。


彼はしばらくの間笑い、落ち着くと “なんでも聞いてどうぞ” というふうにこちらに視線を送ってきた。


kr「…ここはどこ?」

??「この家の話か?それとも住所の話か?」

kr「住所の話。」

??「前はどこに住んでた?」


…言いたくない。

それを聞いて、もしかしたらまた捨てられるかもしれない。


そう思うと恐怖で声が出なかった。


??「…まあいいわ。何が聞きたいんだっけ?」

kr「…近くに…その…。」

??「…。」


震えているのが分かったのか、彼は近くにあったソファへと座らせてくれた。

そして、横に座って手を繋いでくれた。


??「…別に急かすつもりは無い。聞きたいことがないならもう終わるか?どうする?」


…聞きたいことは山ほどある。


でも一つだけは必ず確認したい…。


kr「…近くに、孤児院はある…?」


勇気をふりしぼりそういうと


??「あぁ。あるよ。」

kr「…そっ…か…。」


…俺は長い間走っているような気がしていただけで本当は全然あそこから離れられていなかったのだろうか。


??「…大丈夫だ。お前の知ってる孤児院じゃない。」


そう言って、頭を優しく撫でてくれる。


??「あそこも俺のところだ。きりやんを見たことがないからきっとお前は他のところのやつ。」

「…近くに他の孤児院はない。安心しろ」


俺は何も事情を話していないから、この人が知っているはずない。

けれど、俺の反応などで察したのか、安心する優しい言葉を投げかけてくれる。


俺は、久しぶりに人の優しさを感じ涙が止まらず、彼に抱きしめられながらしばらくの間泣いていた。


俺が落ち着くと、彼はスマホを取りだし何やら文を打っている。


その後すぐ、扉の方からコンコンとノック音が聞こえた。


??「入れ」

??「はい」


そう声が聞こえると、ゆっくりと扉が開く。


…水色のネクタイをした人だった。


??「Nakamu。こいつをスマイルのところまで連れてって」

nk「りょーかい。スマイルでいいの?」

??「うん。歳近そうだから」

nk「Broooockのが仲良くなりやすいんじゃない?」

??「…まあいいだろ。なんとかなる」

nk「…ボスがそんな適当でいいのかよ…」

??「俺が一番偉いから俺が言うことは正しいんだよ」

nk「なんだそれ笑」


…まるで友達みたい。


俺と話している時は上から目線で、少し強気の話し方なのに、水色のネクタイをしている彼と話している時は俺と同い年の子供のよう…


しばらく水色のネクタイの彼を見つめていると、俺の視線に気づきこちらへと向かってきた。

loading

この作品はいかがでしたか?

720

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚