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朝日が昇る。私は起きて隣を見る。リリカがまだ寝ている。 前まではマスターが寝ていたが、今はマスターではなくリリカである。
私は脱衣場で着替えて、そこにある洗面台で歯磨きをしてダイニングにて朝御飯を食べる。
「おはよう……」
眠そうなリリカが起きてきた。服がだらけていて、少しだけパンツが見えている。
「ほら、歯磨きして着替えて朝御飯を一緒に食べよう」
「ふぁーい」
私はリリカを歯磨きさせ、着替えさせ、朝御飯を一緒に食べる。
食べ終えて片付けた私とリリカは自宅を後にする。
サガの行方を追うため、その証拠を探していると、何者かに襲われ眠らせられる。
「ん、ここは?」
気がつくと見知らぬ建物の中にいた。黒い壁に囲まれていて、丸い空間。
リリカも目を覚ます。
「あれ? ここどこ? って!?」
リリカは気付く。私たちは服着ていないのだった。
「服脱がされているぅぅぅ!!?」
「ほんとだ」
何故脱がされているのかは分からない。一体誰が?
「よぉ、また会ったな」
目の前に現れたのはサガだった。
「きゃぁぁぁ!!! 変態だぁぁぁ!!!」
「誰が変態だ!?」
確かに少し恥ずかしい。だが、そんな事を言ってられない。
この状況かなりまずい。何故なら、裸だと魔法が使えないから。
私には元から魔法が使えないから関係ないけど。
私はサガに向かって跳び出し右手を振るう。サガは無抵抗で攻撃を受ける。しかし、ダメージがない。
「ギシシ。効かねぇな」
サガは右手を振るう。続けて蹴る。私は飛ばされて転がる。
「かい姉!? てめぇ!」
リリカは左手に魔法を纏うがすぐ消えてしまう。
「魔法が使えない!?」
「ギシャシャ! 裸だと魔力吸収が増大になり扱えなくなる。だから魔法が使えない。残念だったな!」
「だからなんだ!」
リリカはサガに向かって一瞬で近づく。左手を振るう。
「魔法が使えねぇと力が出ねぇってか?」
サガは右足でリリカを踏みつける。リリカはサガの足を退かそうとするが無理だった。
私はゆっくり立ち上がり、一瞬でサガに近づく。左足で跳び蹴りする。
サガは飛ばされて壁に激突する。
「いててて。何だよ? あの力は?」
サガは気付く。私の瞳が水色から左が赤、右が金色へと変わっていた。
あの瞳何だ? 俺が闘ってきた奴らの中で見た事ない。
それにさっきの力……こいつは一体何者だ?
「なっはっはっは! 油断はするな。相手は陸華の姉だぞ」
六つの砲台を背負っている少女アウロラ・スティングが俺の隣に現れる。
俺は立ち上がる。
「アウロラかよ。てめぇ、何しに来た?」
「陸華の命で来てやった!」
「邪魔するならてめぇから殺すからな!」
「うわっ怖いなぁ。了解だ」
にしても奴らは一体……何者だろうか。考えても仕方ない。陸華の野郎の指示だ。
私はリリカを立ち上がれせる。
「かい姉、すげぇ!!! 魔法が使えないのにそんな力があるなんて!?」
「私も知らなかった」
自分にこんな力があるなんて……知らなかったし、気付かなかった。
ん? 知らない少女がいる?
「我が名はアウロラ・スティング! 貴様らを殺す者なり!」
サガの仲間か……ならそいつもぶっ飛ばすしかない!
だけど、この状況は非常にヤバい。
「メガロマックスぅぅぅ!!! ファイアーぁぁぁ!!!」
アウロラは無差別に背中の六つの砲台から光弾を放つ。
私とリリカは左右に避ける。リリカにサガが近づく。
「鉄拳!」
サガは右手をリリカに振るう。リリカは両腕で防ぐが少し飛ばされる。足を引きずって踏みとどまる。
「いてぇ。鉄みたいに堅ぇな」
「ギシシ。良い音したなぁ、おい」
「リリカ!?」
私はリリカの元へ駆け寄ろうとしたが、胸苦しさが私を襲う。
息切れしてきて、私は両膝を地につける。こんな時に発作が起きるなんて!?
「ほぅ。陸華から聞いていたが、闘いの最中に発作が起きるとはなんと不運だな」
私に近づくアウロラ。そんなアウロラは砲台の一つを私に向ける。
「終わりだ。黒金海奈」
砲台から光弾を収束させる。
くっ……このままだと!
アウロラは砲台から光弾を放つ。
「かい……姉……」
私は倒れて気絶する。体はボロボロ。アウロラは私の髪を握り少し私を持ち上げる。
「病によって貴様が死ぬ事になろうとはな。皮肉だな」
私リリカはかい姉に向かおうとしていた。しかし、サガが塞ぐ。
「ギシシ。行かせると思うか?」
「退けよ!」
「なら、俺を倒すんだな! 鉄脚!」
サガは右足で蹴る。鉄のように堅くなった右足が私を飛ばす。壁に激突される。
「ぐはっ!」
私は倒れる。そして、力を振り絞りながら立ち上がる。
やはり、魔法が使えないのはキツい。このままだとかい姉が……動け! 体! 痛くてもあいつをぶっ飛ばしてぇんだよ!
すると、かい姉から衝撃波が出てアウロラを吹き飛ばす。
「何なんだ!? いきなり!?」
何が起きているの?
かい姉を見るといつの間にか服を着ていて、髪が金髪になっていた。魔法が使えないのに何で? そう思っているとかい姉は一瞬で消えてサガに近づく。
「なっ!?」
かい姉は右拳を振るう。サガは両腕をクロスして防ぐが飛ばされてしまう。
一瞬なのだが、かい姉がにやけていたのが見えた。
「サガ!? こいつ!」
アウロラの目の前に一瞬で現れて、右足で蹴る。アウロラも飛ばされて壁に激突する。
かい姉が私に近づき、魔法陣を展開させて服を着させる。
「かい姉? ほんとにかい姉なの?」
魔法が使えないはずなのに、魔法を使えている……一体、何がどうなっているの?
理解できなくてこんがらがってくる。
「あひゃひゃひゃ! 私は私だよ。リリカ。とりあえず、あいつらをぶっ飛ばしてくるね」
声としゃべり方はかい姉だ。だけど髪色と瞳色が違うだけで、他はかい姉そのもの。
サガとアウロラは隣に立ち合わせている。
「にひひひ、お前たちはクローズの者だな」
「やはり、知っていたか。俺はクローズNo.ⅩⅤで」
「あたしがクローズNo.ⅩⅣだ」
サガの左鎖骨にローマ数字の十五、アウロラの右手の甲にローマ数字の十四が書かれてあって見せる。
「なるほど。なら、陸華に伝えるんだな! 私がお前たち全員をぶっ飛ばすからと!」
ドヤ顔しながら腕を組むかい姉。
「調子に乗るな!!」
サガとアウロラはかい姉に向かって跳び出す。かい姉はにやけたまま立ち止っている。右手を少し振るい、衝撃波で二人を飛ばす。
一瞬にして、サガの目前に現れ右足で蹴る。
「ぐはっ!」
サガは飛ばされて壁に激突する。
かい姉はすぐにアウロラの背後に移動して、左手に光弾を収束する。そして放つ。
爆発してアウロラはうつ伏せに倒れる。
「いててて。あの野郎、どうなってやがる?」
サガの目前にかい姉がいた。かい姉は右拳を振るう。壁が崩れ、サガは外へ出され倒れて気絶する。
かい姉の姿が元に戻る。
私海奈はリリカに近づく。
「凄い! 凄い! かい姉!」
リリカは目を輝かせている。テンションが上がって少しうっとしい。
「いやぁー、随分派手にやってくれているねぇ」
声が聞こえた方に私とリリカが向くと伊南川先輩がいた。
「アリ姉!? 何でここに?」
「いやはや、君たちが行方不明になったと聞いてね。捜査していたんだ。私の魔法で君たちを見つけられて良かった」
私とリリカは伊南川先輩に近づき、私はあった事を全て話す。
「なるほど。陸華の奴の仲間か……あいつ、一体何がしたいだろうねぇ。おいおい、君たち。この者たちを頼む」
刑事たちがサガとアウロラを逮捕して連れていく。
「さてと、海奈、リリカちゃん。後で私の部屋に来てちょーうだーい」
伊南川先輩はそう言い残し去って行った。私はそれを見届けた後、倒れかける。リリカが支えてくれて倒れずに済んだ。
「大丈夫? かい姉」
「うん。大丈夫。なんだか疲れたから休みたい」
私たちは一旦家に帰る事にする。
自宅。私はソファーに寝転がる。
「かい姉、そこで寝ると風邪引くよ?」
リリカの注意を無視して私は眠る。ベッドまで行く力がない。
私にまだ知らない力があったなんて……正直驚いている。私は一体何者だろうか?
そう考えようとしたが眠気には勝てない。そして朝日を迎えるのだった。