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ご本人様には一切関係ありません。
フル捏造です。本編伏せ字なし。
前編
「佐伯」『緋八』
空は分厚い雲に覆われ、明るい灰色をしている。
「………」
朝一番の景色がこれでは気分も下がるというものだ。目覚めて早々だがもう一度瞼を落としかけた時、昨日の緋八とのやり取りを思い出した。
「……今日マナくんと遊ぶ日じゃん…!」
途端に曇り空も眩しく見えてきた。窓を開けると、ひんやりとした外気が心地良い。
寝間着のまま朝食を貪りつつ時計を見る。
マナくんがうちに来るのは18時。遊ぶと言っても家でゲームするだけだろうけど、その頃には日が沈んでこの曇り空も見えなくなっているだろう。マナくんを待ち焦がれる俺の心情を現していると思えば中々オツなものだ。さてと、マナくんが来るまでまだ8時間程あるが、片付けをして、飲み物でも買って待っていればすぐに過ぎるだろう。
「(本当は恋人としても遊んでみたいなぁ)」
友達としては好かれてるはずだから、俺が望めば会ってくれるから、それ以上贅沢言う気はない。
手始めに片付けを粗方済ませ、掃除機をかける。
「(ジュースとポテチでも用意しておこうかな、ピザポテト好きなんだっけ)」
さながら高校生のようなチョイスだが、お酒を入れずに眠くなるまでワイワイやるってのも中々良いものだろう。
掃除した部屋が煙たくならないよう、ベランダに出て煙草を吸う。思った以上に時間を持て余してしまい、今から買い出しに言っても2、3時間はただ待ちわびる時間になりそうだ。なるべくゆっくり帰ってこようと思いながら跳ねる足取りでコンビニに向かった。
「(やっぱり一応お酒も買っておこう)」
マナくんが欲しがらなければ出番はないが、念のためほろよいを数缶買っておく事にした。酔いやすいマナくんは一缶も飲みきれないだろうけど。
コンビニを後にすればもう帰って待つだけだ。もう準備はいいだろう。先にゲームを起動して2分置きくらいに時計をチラチラ見ながら待っていると、思ったより早くインターホンが鳴った。ドアを開けると大好きな彼の姿。
「マナくんいらっしゃい」
『お邪魔します~』
マナくんはコンビニのビニール袋を片手にご機嫌な様子。どうやら考えが被ってしまったらしい。
『そこのコンビニで色々買おてきたで』
「まじで!ありがとう!俺もポテチとか買っておいたんだよ、一応ほろよいもあるよ」
『お酒?俺も一応買おてきてん、でも2人じゃ飲みきられへんな』
ウキウキした声で笑うマナくんが可愛くて、気を抜くと話を聞き逃しそうだ。取り敢えずお酒は後にしてお茶を注ぐと、やり掛けていたゲームをタイトルに戻した。
『お、ゲームやってたん?』
「うん、一緒にやんない?」
一人なら広々としたソファだが二人だと少し狭い、でもそれがよかった。