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きり「はっ、はぁ、はぁっ、」
なか「はぁー、疲れた、」
「先生まけたねー、」
俺らは今職員室の前にいる
学校へ入れても、さすがに教室は開いていないから鍵を取りに行かなくちゃいけない
職員室の鍵は有難いことに壊れているから余裕で入れた
なか「えっと、2組2組…」
そう言いながら俺のクラスの鍵を探してくれる
なか「あ!あったよ!教室行こ!」
先頭に行ってくれるNakamu
恐らく先生に見つかった時、俺がすぐ逃げれるようにだろう
…周りのことまでしっかりと考えて行動している
人のことを一番に考えているんだなと思った
でも俺は何となくわかる
こいつは人と本音で話していない
よく一緒にいる背の高い人、よくスマホゲームで盛り上がっている背の低い人、同じくゲームで盛りあがっている俺と同じくらいの背の人、陰キャっぽい人、
この4人には本音で話している感じはある
けど、それ以外の人には本音で話しているように見えない
…ぱっとみそこまでの違いは無い
けど、人の事をよく見ている俺は分かる
こいつは人のことを信用していない。しようとしていない
俺が忘れ物を取り、職員室へ鍵を返しに向かっている時
なか「…きりやんはさー」
きり「ん?」
なか「分かってるよね?俺の事」
…どういうこと?
と思った
先程までとは全くの別人なんじゃないかというほど静かな落ち着いた雰囲気になった
…真面目な話なのだろうか
“分かってるよね?”この質問の意図が全く分からない
俺は今日初めてNakamuと話した
それまでは一切関わったこと無かったんだからNakamuの事なんて噂程度でしか聞いたことがない
俺が質問の意図が分からず考えているとNakamuが言った
なか「…意味わかる?」
きり「…分からない」
なか「俺が人を嫌ってるってバレてるよね?」
…?嫌っている…?
知らなかった。初めて知った
…人と本音で関わろうとしないのはそれが理由?
きり「…知らなかった。嫌ってたんだね」
なか「えっ!?嘘!?バレてなかったの!?」
さっきまでの落ち着いた雰囲気のNakamuではなく、初めて話した時のトイレで会ったNakamuの雰囲気に戻った
なか「きりやんの雰囲気?かな?目?なんか、バレてる気がしてたわー。俺バラしただけじゃん。」
きり「…人と本音で話してないなとは思ってたけど嫌ってるとは思わなかった」
なか「あー…でもやっぱそれっぽいことはバレてんのね」
そう苦笑いで言う
…人が嫌い
ならなぜこんな態度で人と接するのか不思議だった
嫌いなのであれば関わらなければいい
わざわざ関わっていく意味が分からない
なか「…きりやんは話しやすいね」
きり「知り合ってから1時間も経ってないのに?」
なか「経ってないけどそう感じたの!!」
なか「…また話そうよ」
きり「いいよ」
“また話そうよ”
そういうNakamuの笑顔はどこか悲しそうだった
なか「きりやん早起き得意?」
きり「んーまあ得意なのかは分からないけど目覚ましさえあれば起きるかな」
なか「…じゃあ約束。」
「毎週水曜日、朝早く学校へ行って俺と2人で話そう」
きり「…なんで水曜日限定?」
なか「いーの!約束ね?」
きり「…わかったよ」
なか「ありがとう!」
Nakamuがそういったタイミングで、丁度職員室が見えた
なか「俺鍵返してくるから待ってて!」
そう言って走っていくNakamuが小さな声で
「気をつけなきゃ」
そう言っているように聞こえた