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僕は目を覚ました。

体が重い。だるい。頭が痛い。


「涼ちゃん!」

元貴の声がした。

「覚えてる!? 撮影中に過呼吸起こしたんだよ」

忘れようとしたって忘れられないよ。

「涼ちゃんー!」

滉斗が抱きしめてきた。

「怖かったんだよ…死んじゃうかと思った」

すごく暖かい。

「僕も…死んじゃうかと思った」

僕は零す。過呼吸なんて久しぶりだった。

「今は大丈夫?気分悪くない?」

元貴が聞いてくれる。優しいなあ。

「う、うん!」

「藤澤さん。目を覚まされたようですね」

顔を上げてみるとさっき助けてくれたお医者さんの様だった。ちゃんと顔は見れていなかったけど。優しそうな人だ。

「医者の小谷と言います。少しお話したいので、申し訳ないのですが若井さんと大森さん。少し席を外していただけますか?」

「はい!もちろん!」

2人が出ていく。

小谷さんは僕が座っているソファーの近くに椅子を引き寄せて座った。

「少し辛いことを聞くかもしれません。答えずらかったら答えなくて結構です」

僕は少し緊張して、若井がかけてくれたタオルを握る。

「先程はフラッシュバックによってパニック発作を起こしてしまったんですよね」

「…はい。」

「今回以外に起きたことはありますか?」

「昔は…結構ありました。でもしばらくずっとなくて。でも最近ふとした時にフラッシュバックしそうになる時があって…過呼吸までは行かないんですけど」

「藤澤さんは過去のトラウマからPTSDを発症してしまっていると考えられます。不安障害も併発してる可能性もあります」

トラウマ。

「治療法は、主に精神療法です。できるだけお薬は使いたくないですが気分が悪い時のみ服用できるお薬も出しておきましょう」

薬。ー僕って壊れちゃったのかな。


「辛ければ話さなくても大丈夫です」

小谷さんは僕を見た。

「過去にあったことを吐き出してくれませんか」

苦しい。

でも、話さなきゃ良くならないよね。

迷惑かけちゃうもんね。元貴にも滉斗にも、ファンのみんなにも。

良くなりたい。この記憶から開放されたい。

あのころの僕を救ってあげたい。


いつの間にか息が早くなっていた。

酸素が、ない。

頭がぼんやりする。

吐き気がする。

また、過呼吸起こしてる?

死んじゃうよ。死んじゃう。

でも

死んでもいいかもね?

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