乱「だって」
乱「貴方の未練になりたい」
まだ蝉の鳴く立秋の日。
初めて福地と会った日でもあった
乱「知らない貴方を知っているのが酷く憎ましい」
乱「其れが友人であったとしても」
私は言葉に詰まった。此のようなことを嫉妬と呼ぶ事は知っている。だが、とうに云われる身になるとどう応えるのが正解なのか判らない。
乱「僕がなにいってほしいか考えてるんでしょ」
乱「そんなんじゃないの」
乱「唯、憎らしいの」
泣きそうな顔で乱歩が云う。その顔は少しばかり愛らしくもあると心の底で想ってしまった。
乱「あいしてる。だからッ……、」
乱「ごめん…僕こんなこというのなれないから」
頭がはてなまぁくでいっぱいになっていると
乱「今日は僕だけみてよ。」
朝起きたら横に福沢さんが居て、
まぁ…その…事後だってのは簡単に解った。酷く抱かれた様で腰が痛い。蝉の鳴く立秋。
僕はこの季節が好きではない。秋なら秋らしく居て欲しいし、なにせ暑いのは厭だ。けど福沢さんが横にいてくれるから想い出さなかった。横からいなくなったような切ない気持ちが立秋を想いだして
「なんであんなこと今更云ったんだろう」
時間、年月には流石の僕にも敵わない
そんなの解ってたのに。抱かれたからと云ってもその年月を越える訳ではない。
福沢さんの顔を想い出す
僕だけ見てて呉てるんだよね。
ほんとに?と何度も何度も云ったのも想い出す
嗚呼、何故にも今更。
福沢さんにも嫉妬よりも濃い感情なのをわかってほしい。わかって呉る為に僕が未練になりたい
寝ている福沢さんに接吻をした。
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