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今回も神ってましたぁぁぁぁぁぁあ!!!! あぁぁぁぁ処刑された一毬やめれぇぇぇぇぇぇ" 今頃あのかわい子ちゃんを思い出させるんじゃない!!(?) てかそんなことより、ウィスたんすげえな...かっこよすぎるぜ... 頑張ってくれ...!うちは安全圏で応援します((( 次回もめっっっっさ楽しみいいいいいいいいいいいいいぃ!!!!!
かつて貴族の宗教議会があった高塔。
今は流鏡によって掌握され、信徒を従えた“異常国家”の中枢と化していた。
その頂上──塔の礼拝室に、ウィスはいた。
自動ドアは血で閉ざされ、信者たちは皆、魔物に変えられ、床に沈んでいる。
神父のような白い衣。その裾は、血の泥で赤く汚れている。
「来たか、ウィス」
「……塔の上から宗教を始めるなんて、嫌われる独裁者のテンプレだな」
「私は神気取りの市民だ。神を否定した連中が何を生んだ? “空白”だ。私はそこを埋めただけ。“死”という絶対的な真理でな」
彼は言う。
「私は、死んだ者の“死に様”を模倣できる。私がその瞬間を“視て”いれば、だがね」
そして、手を掲げる。
指を鳴らすと、空中に“映像”が浮かぶ。
それは──処刑された一毬。魔物に喰われた市民。頭を撃ち抜かれた元貴族。
「私の中には、無数の“死”がある」
「私は、“死に様”そのものを召喚できる」
ウィスは警戒しながら剣を抜く。
戦いが始まる。
目の前に“見えない腕”が伸び、ウィスの首を絞める。
それは「絞殺された元議長」の死。
死んだ瞬間の圧力を再現している。ウィスは体を反転させ、台座に剣を突き刺すことで自らを支える。
──息が戻る。
◆第二段階:“水死”
塔内に突然、水が溢れ出す。
それは「洪水で死んだ貴族」の死。ウィスは逆立ちの要領で天井に張り付き、外套に仕込んだ酸素ボンベをかすかに使って脱出。
音速の銃弾が襲う。それは「反乱軍のリーダー」が受けた死。壁面を跳ねるように剣で弾くも、肩に一発命中。血が噴く。
──流鏡自身の、かつての“偽りの死”。彼は過去に一度「死んだふり」をして生き延びていた。
その“死”をも再現し、ウィスの心に幻覚を流し込む。
「君のせいで、市民が死んだ」
「君が救えなかった少女が泣いていた」
ウィスの瞳が揺れる。
耳元に、夜咲の声が混じる。
「……“目的がない”ことが、そんなに怖い?」
ウィスは叫ぶ。
「──死んだ奴の姿で戦うな!お前自身の姿で来い!」
流鏡の死模写の隙間を突き、ウィスは急接近。両者が至近距離で剣と指先を交える。
血が舞い、ウィスは右腕を切られる。
だが──流鏡の首元へ剣が刺さる。
「“死”を見て模倣するだけの奴が──生き様だけは真似できねえんだよ」
流鏡は血を吐きながら笑う。
「……まだ、俺の中には“死”が百もある……」
ウィスは答えない。
ただ一閃。
剣が最後の模写の起動前に、流鏡の胸を貫いた。
その瞳に浮かんだのは、死を“見せる”ことができなかった、唯一の“死”──自分の死だった。
──塔が崩れ始める。
──遠くでミルゼの通信が微かに入る。
「……ウィス……生きてるか……?」
「おうよ。……死ぬにはまだ、あと3回分くらい仕事がある」