気まずくも平穏でもない沈黙。呼吸を整えながら、横目でウンソクを見る。僕が今言ったことは本当にたいしたことない話だったんだろうか、と考えてしまうほどに、ウンソクは全く動じていない。「言ったの?」
詳細省いて結論だけ聞いてくるところがウンソクらしい。
「言った」
「返事は」
「いつでもいいって言った」
ふむ。とウンソクは目線だけで上を見て何か考えてる。
それ以上、この件については特に話すことなく、ふたりで宿舎まで走って帰った。あとあとなんで返事まで聞いたんだろうと思ったけど、そこは深掘りする必要ないだろう。
ウンソクもストレートなタイプだ、もし万が一タロのことが好きならはっきり言うだろう。気を遣って身を引くような奴は男とは認めない。ウンソクもタロのことは好きだと思う。でも僕の持つ感情とは別物だ。
我ながら独占欲の強さを持て余す。友達になら、ここまで執着しないだろう。大事に大事に、手のひらでくるんで持ち歩きたいほどに、タロのことが好きで好きでしょうがない。
シャワーを浴びながら、自分の体を見てつくづく思う。今、女性と付き合える状況じゃないから誰かを代わりにしたいのかと。
同じ体を持つ相手を、性別関係なく好きだと思うのはおかしいことかと。
異常の中にある正常な精神がそれでも心を求めている。仕事としてはみんなのものでも、プライベートでは僕のものでいて欲しい。
日常の全てを、感覚を共有したい。タロ、君だからこそ。
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