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⚠夢
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朝の魔界学園。
アズくんは、今日も完璧だった。
制服はしわひとつなく、成績も態度も一流。
そんな彼の横で、ネレア・ティフェラは制服のネクタイすら曲がったまま、ぼんやり空を見上げていた。
「……おまえ、また遅刻ギリギリだったぞ」
「ん〜? でも、間に合ってるもん」
ネレアはへらっと笑って、アズくんの視線を真正面から受け止める。
彼はほんの少し、ため息をついた。
「もう少し、時間に余裕を持ってみたらどうなんだ。心臓に悪い」
「アズくん、そんなに私のこと気にしてくれてるの?」
突然の質問に、アズくんは咳払いして目をそらした。
その耳は、ほんのり赤く染まっている。
「……あなたのマイペースに巻き込まれると、こちらが疲れるというだけだ」
「ふ〜ん。じゃあ、アズくんにとって私は“ペースを乱す悪魔”ってわけだ」
ふざけたように言いながらも、どこか寂しげだった。
それに気づいたアズは、少しだけ真面目な声で言った。
「……でも、それが悪いとは、言ってない」
「……へ?」
「むしろ。あなたのペースに巻き込まれてからの方が、学校が退屈じゃなくなったから、」
ネレアは、きょとんと目を見開いたあと、
ふわっと、笑った。