向かいの家の屋根には白くて綺麗な雪が積もっている。
それと同じように僕にも人からの期待という雪が積もっている。
一度、ここから逃げてしまえば普通に楽しく過ごせるのかな。なんて考えた。
でも現実はやっぱり厳しくて、そう考える事すらも許されなかった。
「期待してる」「頑張れ」
嬉しい言葉のはずなのに僕の中で何かが崩れ落ちていく音がする。
今閉じている黒いカーテンを開けたらどれほど綺麗で明るい外側が見えるだろう。
本で読んだだけの鳥も、雪も、木も、全てが美しく輝いて目に映るのだろう。
“離れたい”
ここからずっと遠くに逃げて、一人で自然を楽しんで生きたい。
ポト、ポト。
雪が落ちるようなそんな音がした。
隣の家の雪が落ちたのか?
いや違う、 僕の涙だ。
なんで泣いてるの?
なんでそんな顔が強ばってるの?
…怖いの?
一緒に逃げようよ、ね?
逃げたら楽しいよ、二人で逃げれば怖くないし寂しくないんだから!
ほら泣かないで、本の中においでよ。
もう僕しかいないんだから、何も怖いことなんてないんだよ、ね?
コメント
2件
んだぁぁぁぁぁぁぁぁ、(? 期待ってめっちゃ重いよね… 雪かきの時の雪以上に(( 外=本の中なの現実逃避とか、 もう戻れない場所へ誘う感じが すっごい好きです… 頭の中覗かせてください(( 投稿ありがとうございますっ!