K視点
束の間の休日が終わり代表合宿が始まってしまった。絶対藍さんも来てるよな〜。沈んだ気持ちでアリーナに入る。「おっす、合宿一発目頑張ろうな」声をかけられ振り返ると僕らの司令塔がいた。なんだ、関田さんか。胸を撫で下ろす。シューズを履きながら話していると一番触れられたくない話を振られた
「いやぁ、でもアレはびっくりしたわ。結構大胆なことするのね」
「すみません。みなさんも困りますよね」
思わず顔を伏せる。「ま、みんな酔ってたし騒がしかったから聞こえてないとは思うけどね」そう言って僕のあたまをぽんと軽く叩くとアップを始めた。
関田さんのセリフ通り周りは何も知らないようだ。みんないつも通り声をかけてくれるしいつも通りバカ話もしてくれる。いいプレーがある度にハイタッチも。その“みんな”には藍さんも含まれていた。どうしてこうも平然を装えるのだろう。後輩に、しかも男に告白紛いなことされたんだぞ?
何だよ。僕だけが引きずってるみたいじゃないか。なんかイラつく。
R視点
「一旦休憩!ちゃんと水分取るよーに!」
あーーダメだ!クソ! 少し乱暴にドリンクのボトルをとる。プレー中は別に問題ない。でも途切れた瞬間にあの日のことが頭を過ってしまう。
タオルをかけ壁にもたれながらチームメイトと話すアイツに視線を向ける。 甲斐のことは可愛いと思う。いつも笑顔だし控えめだけど素直。俺よりデカイくせに甘えてくるし。とにかく純粋で可愛くて、ぶっちゃけ恋愛のれの字も知らなそうな後輩。だからこそ余計に意味がわからない。あれはどういう意味だったんだ?あの色っぽい表情は?アイツ俺の事好きなのか?だとしたら嬉しいけど、、、
は?嬉しい?それじゃあ俺がアイツのこと好きみたいじゃないか!?ふと、最後に言われた言葉が降ってきた。
“藍くん、私を通して別の人見てるでしょ?”
妙にしっくりきた。なんだよ。今更。
ちょうど休憩終了の合図がかかる。モヤっとした気持ちをタオルと一緒に置いてコートに戻った。
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今回も直接的な絡みなくてすみません。
これからもちょいちょい元カノ(回想シーン含む)出てきます。純粋なBLを求めている方はご注意を🏃
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