時計の針が12時を指す頃。男二人はベットに転がり込むと、疲れた。とでも言うように月はため息を着く。今では恋人となったLと一緒に捜査をするのは正直心が踊らないと言ったら嘘になるものの、そんな軽い理由でやっていたらいつかダメになると思っているのも事実。そんな葛藤を知ってか知らずか。恐らく後者だろう。最近ではよく性交渉を測ってくる事が多い。
月はそこまで考えてから、体が妙に重いと思い目を開く。もしかしてヤる気か?
「おい竜崎、どけ。」
Lのスキンシップが激しいのは今に始まったことでは無いが、流石にのしかかられるのは辛い。人一人が乗るのはさすがに重いのだ。Lのことを突っぱねようと、軽く上記の言葉を放つと、何か首筋に擽ったさが走る。
「……ひっ!?おい竜崎!」
その擽ったさによって、少し女性の声にも似た甲高い声を出す。月はLに首を舐められたのだと理解すると、先程の声とはおよそかけ離れたドスのきいた声でLの名を呼んだ。Lが顔を上げるとそこには、月の整った顔が、少し赤みを帯びて、こちらを睨んでいた。
「すみません、つい。」
悪びれもなく、いつもの調子でそう言うLに対して、月は紅潮した顔を隠そうとしながら、Lを睨みつける。
「ついってなんだ!」
「月くんが可愛いので、つい。」
Lは今すぐにでも喚き出しそうな 月を軽く受け流すと、月の顎にそっと手を添えれば、月の唇に自身の唇を重ねた。
「!?ん……っ、」
舌が入る、所謂ディープキスと呼ばれる物。口を塞がれ、月の息が切れ気味になってきた所でやめると、月にしては珍しい、少し呆けた顔をする。その様子に少しLも当てられたのか、獲物を見つけた目で月を見つめた。
「……ぁ?っおい竜崎っ!!」
Lが月のシャツのボタンを外し始めると、静止の一言を言うが、それでも全く止まらないLに対して苦言を呈す。
「月くん、静かにしててください。」
恋愛経験豊富な筈の月。そんな月は、Lとヤる時だけはムードの欠片もなく、一触即発の雰囲気が漂う。同性ゆえの気の緩みなのか、それとも相手によるものなのか。恐らく後者だろう。喚く月と、宥めるL。普段とは逆の立場になり、暫く時間が立った。時計の針が、12と6を指している。服を全て脱がせた時。Lは3個入りの箱から1つ取り出すと、包装を口でちぎった。
コメント
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文才ありますよね主さん…!?!? 言葉が綺麗というか丁寧でとても良かったです!!