月が冷たく輝く夜。霧島家の里に、鼓動が響いていた。篝火が揺れ、集った十二の影が不気味に踊る。
その中心に立つのは、霧島宗連。彼の目には、まるで未来を見据えるような鋭さがあった。
「これより、異能の時代を取り戻す。我ら十二獣士は、先駆けとなる者たちだ。各々の異能を極め、異能演舞を解き放て。」
十二獣士——それは霧島家に仕える最強の異能集団。彼らの異能は、動物を象徴とし、それぞれが一つの”伝説”を背負っている。
「まずは俺からいかせてもらおうか。」
低く笑いながら前に出たのは、虎鉄。十二獣士の”虎”。背に巨大な大斧を背負い、その目は獲物を見据える獣のそれだった。
「異能演舞——”白虎咆哮”!」
瞬間、世界が変わった。
虎鉄の異能演舞が発動するや、辺り一面が戦場へと姿を変える。血に染まった草原を、白虎の姿をした巨大なオーラが駆ける。
「この”物語”の中では、俺の力は絶対だ。」
——ガアアアアアアッ!
白虎が咆哮をあげると同時に、天地が震えた。そのエネルギーに応じて、霧島家の敷地そのものが揺らぎ始める。
「ふふ、面白い。」
次に進み出たのは、胡蝶。十二獣士の”蝶”。儚げな微笑みを浮かべる彼女は、まるで死の使者のように静かだった。
「異能演舞——”冥蝶夢幻”。」
蝶の羽ばたきが響く。気づけば周囲の景色は消え去り、霧に包まれた幻想の世界に変わっていた。
「この”物語”では、あなたの現実は私の夢の中。抗うことは許されません。」
虎鉄の白虎が、その幻想の中で霧散する。胡蝶は微笑んだ。
「誰が次に参りますか?」
異能演舞を解き放つ。”狼”、”蛇”、”猿”……それぞれが、独自の”物語”を展開し、世界の法則を捻じ曲げる。
だが、その時だった。
「——待て。」
霧島宗連の声が、すべての”物語”を打ち消した。異能演舞の世界は霧散し、現実の夜の庭へと戻る。
「未熟。この程度の演舞では、真の”物語”には届かぬ。」
宗連はゆっくりと太刀を抜く。
「見せてやろう。これが、極致——。」
——世界が、崩れた。
「異能演舞——”黄泉神楽”。」
彼の足元から広がるのは、冥府の舞台。死者が踊るかのような異様な空間に、十二獣士さえ恐怖を覚えた。
「これが、霧島家の”物語”。さあ、お前たちも、踊れ。」
コメント
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おっふ、、、何かやばいね((? うち毎回それしか言ってなくね????( まあ、、、とにかく霧島家がやばくてすごいんだなってことは分かった(?