買い物を終えて、帰り道。
夕焼けが街を赤く染める中、私は先輩の隣を歩いていた。
「荷物、持つ?」
ふいに、先輩が私の手から紙袋をスッと取る。
「え、いいですよ!自分で持てます!」
「うるさい、重そうだから。」
そっけなく言うけど、その手つきはすごく優しかった。
(もしかして、これってちょっと特別な感じ…?)
私の心臓がドキドキと跳ねる。
――そして、角を曲がった瞬間、ふいに先輩が立ち止まった。
「……?」
「こっち来い。」
そう言って、先輩は私の腕を引いた。
突然のことに驚いた私は、バランスを崩して――。
「わっ……!」
気づいたら、先輩の胸にすっぽり収まっていた。
(えっ、えっ!?)
「危ねぇだろ。」
耳元で、低い声が響く。
(や、やばい、心臓が爆発する……!)
「……びっくりしました。」
顔を上げると、先輩はすぐ近くにいて、私をじっと見つめていた。
夕焼けに照らされた先輩の顔が、なんだかいつもよりかっこよく見える。
(なにこれ、ずるい……!)
「……お前、さ。」
「は、はい……?」
先輩の指が、私の髪をそっと撫でる。
「……昨日の返事、まだ聞いてない。」
(あっ……!!)
昨日の告白の返事――。
私は一瞬、息をのんだ。
「……好きです、先輩。」
勇気を出して、ちゃんと言葉にする。
すると、先輩はふっと微笑んで――。
「……そっか。」
そう言った瞬間、私の頬を両手で包み込んだ。
「ちょ、ちょっと!?近いですって……!」
「うるさい。」
そのまま、額がコツンと触れるくらいの距離になって――。
「好き。」
先輩が、低い声でそう囁いた。
(もう無理!!)
心臓が破裂しそうなほど高鳴って、私は思わず目をぎゅっとつぶった。
「……お前、ほんとわかりやすいな。」
「も、もう知らないです!!!」
先輩の胸に顔を埋めると、彼はクスッと笑って、優しく頭を撫でてくれた。
「これから、よろしくな。」
耳元で囁かれたその言葉が、まるで魔法みたいに心を満たしていく。
**――好きな人と、こんなにも近くなれるなんて。**
今、この瞬間が、私の人生でいちばん胸きゅんしてる!!!!!
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