注意
・イタ王がひたすら語っております。
・原爆表現、独ソ戦表現があります。
・地雷さんご注意。
ではGo。
『
…あー、聞こえてるー?
Ciao!イタリア王国こと、イタ王なんね!
…え、今日急にどうしたって?
ふふん、今日はねぇ、ioの事を話してみようかなぁって思ってこうしてカメラ回してみてるんね。
ioらしくもない?…まぁまぁ、ご愛嬌。
…さて、何から話そっか。
最初に決めて来いって?ごめんなんねー…本当思い付きで回してるから…
…じゃ、ioの過去から話してみようか。
枢軸の皆にもあんまり話したことないし……いや、本当に誰にも話したことないかも。これが初公開なんね。
ioが生まれたのは、混乱期のイタリアだったんね。
処刑とかが普通に行われてた時代。今もだけどさ。
そんな中に生まれて…ioは、初め血とか見るのが、正直好きだった。
悪人が処刑されて、血がだらだら垂れてるの。
ああ、今日も悪い人が一人減った、良かった!!…って、本気で思ってたんね。
多分…心が、壊れてた。
違うな、そもそもなかった…が、正解か。
でも、ある日。
そんな風に思ってた自分が、急に怖くなった。
悪人は悪人でも、『それ』は人なんだって、急に自覚したから。
笑いながら人を殺してた自分が、恐ろしく怖くなったんよ。
…それから、ioは人を殺せなくなった。
だから、代わりに『ファシズム』…って言うのを掲げて、反対派を弾圧する政策をとるようにしたんね。
ファシズムに関しては話すと細かいから省くけど…それで、io自身が反対派の人に直接手を下すことをしなくても良い様にしちゃったんね。
『怖い』と感じる心を、『ファシズム』という重しで押さえつけて…
心を、今度は自ら殺した。
でも、その代わり、人が人を殺すようになった。
当たり前だよね?
今まではioがしてた悪人の処刑をioがしなくなったのなら、代わりの人が必要なんね。
人が人を殺す世界を、ioはまた怖がった。
その心を、押さえつける。
それをずっと繰り返していた。
どうすれば人は団結できるのか…考えても考えても、全くわからない。
出口のない迷路を歩いている気分だったんね。
でも、そんなとき、日帝とナチに出会ったんね。
初めて会ったのは、日独伊三国同盟を締結する半年前。
ioたち3人とも、その時全員初めて会ったんね。
ナチはその時勢力を伸ばしていたから、すごく自信満々に椅子に座ってた。
日帝は極東の狂犬って言われてたのを聞いてたから、正直内心怖かったけど…ioが部屋に入った瞬間、すっごい礼儀正しく『こんにちは』って挨拶してくれたんよ。
ナチも、『初めまして』って笑いかけてくれた。
例にもれず心を殺し続けていたioは、その時初めて…人は見かけによらないなぁって思えたんね。
それから、日独伊三国同盟を締結して。
ioたちは、ずっと一緒にいるような関係になったんね。
3人でいる日々は、ずっと楽しくて楽しくて。
楽しいと思える心は殺したくないなぁって思ってた。
日帝がパスタが鍋に入らなくてパスタを折ったときはioが暴走しかけたらしくて、気が付いたらナチがベッドの横に居たんね。ナチがioのことぶっ飛ばして意識飛ばしたらしくて…やりすぎなんね!って怒ったら、ナチが『お前が暴走するからだろ』って正論吐いて来たのも懐かしいんねぇ…
でも、ioたちが日独伊三国同盟を締結したのは、第二次世界大戦真っ只中の時期だったんね。
会うたびに、ナチも、日帝も。
怪我ばっかりして、ナチに至ってはイギリスとかとも戦ってたから…ナチが一番最初に大怪我し始めたんね。
その次に、日帝が怪我ばっかりし始めたんね。
太平洋戦争が始まって、アメリカと闘い続けて…たしかその時って、中国とも戦ってたはずなんね。
今思えば、あんな島国が中国とアメリカっていう大国を2つも…2つもだよ?同時に相手して良い勝負してただなんて、怖すぎて信じたくもないんね。事実だから信じるも何もないんだけど…
でも、ioは怪我すらしてなかった。
ioは、ただ逃げるばっかりだった。
イギリスの反撃を受ければ速攻で逃げ帰ったし、その他にも反撃を受ければすぐに白旗をあげて逃げ帰ってた。
ヘタリア…なんて呼ばれるのも、しょうがないんね…
だから、ioはずっと馬鹿にされ続けた。
ヘタリア、白旗野郎、臆病者、敗北者…色んなあだ名で呼ばれたんね。
ioだって必死で戦ってた!!
でも、相手が、強くて、強くて…
ioには、ナチや日帝みたいに身をぼろぼろにしてまで戦う勇気も何もなかった!!!!
…その日その日を生きるので、精一杯だった。
ごめん、ナチ、日帝。
ioは、ioは…
君たちが一番つらい時に、傍に居てあげられなかった。
日帝。
アメリカに、原爆を落とされたんよね。
…確かあの日は、弟さんを亡くしたって聞いたんね。
やけどだらけで、まともに歩けなくて。
ナチに肩を貸してもらって、必死に歩いてioたちの基地に帰ってきたときのことは一生忘れない。忘れられるわけが無い。
泣きながら『なぜ俺だけが生き残ってしまったんだ』って自分の事を責め続ける日帝に、ioは、何も…何も声をかけてあげられなかった。
ナチ。
ソ連侵攻で、返り討ちにあったんよね。
毎日毎日上手く行かなくて、作戦書を何枚も何枚も書いて…書いた分、ほぼ全部を破いて、頭を抱えてたのioは知ってた。なのに、ioは何もしなかった。
あの時、もしもナチに、一言でも…『大丈夫?』って声をかけてあげられたら、今も、君は…
生きて、ここに居たのかな。
ioの人生は、後悔だらけ。
『あの時こうすれば』っていう後悔が、ずっとずっと残り続けてるんね。
その中でも、一番重たいのは…やっぱり、大切な二人の死…なんね。
大切な人だったのに。
血と暴力と汚れた正義の中で生きてきたioにとって、初めて出来た大切な人だったのに…
ioは、手を放してしまったんよ。
だから二人は死んだ。
全部…全部、ioの所為だ。
なんで二人が死ななきゃいけなかった?
どうして…どうして、ioが死ぬじゃいけなかった?
…ずっと考えてきたけど、やっぱり答えは出ないんね。
どうしても、どうしても…
ioは、あの日からずっと自分を許せないままで居るんね。
きっと日帝が見たら『いつまでも過去を引きずるな、馬鹿』って怒るのかな。
ナチは…『くだらない、そんなもの。前を見て進め、イタ王』…って、怒りながらも励ましてくれる気がするんね。
見かけによらず、二人ともすっごい優しいから。
ioが悩んでいたら…自分も同じくらい、いや、それ以上に悩んでいるっていうのに…わざわざ自分の時間を割いて話を聞いてくれたんね。
でも、ioはそれを返してあげられなかった。
だから、ioは息子…イタリアに託すことにしたんよ。
『どんな辛い時も、きっと助けてくれる人は居る。
けれど、その代わり、その助けてくれた人が思い詰めて悩んでいたならば、今度は自分が助けに行きなさい』
…って、教えた。
イタリアは、よく意味がわかっていなさそうだったけど…まぁ良いんね、大人になったらきっとわかってくれるはずなんね。
…あ、ちょっと待っててなんね。
いやぁ、ごめんごめん、ちょっと呼ばれちゃってたんね。
…嗚呼、えっと、どこまで話したっけ?
…大体全部話し終わったか。
じゃあ、そろそろ締めくくりに入るんね。
ioはこれから、処刑されるんね。
悪名高きファシズムの創始者…?みたいな立場にioは居るから、これから先…ファシズムが原因でまた戦争を起こすことが無い様にって。
勿論イタリアにはファシズムの本質を一応教えてはいるんね。けれど、決してそれを使って行動するなって釘を刺してあるから大丈夫なんね。
ファシズムの行使によって、これから先…また全世界が戦火に包まれることが無い様に祈るばっかりなんね。
ああ、そうだ、最後に伝えた=こと==る=ね。
え、ノイ=…?そろそ=フィル=が限界な=かぁ…
残=少な=フィ=ムで、最後=。
今=で、ありがt━━━━…
』
「…これが、父上が最期に遺して行ったフィルムなんね。これが唯一の、遺品。
どうだった?」
映写機からフィルムを取り出しながら問うと、二人は茫然としたように答えた。
「…なんか、圧巻だったな…映画一本分見た気分だ」
「私も…ドイツさんと同じ意見です」
「なはは、そうだよねぇ」
フィルムを巻きなおす。
ずっとずっと大切に置いていたけれど、やっぱりフィルムは劣化してしまう。
そろそろ、このフィルムも見れなくなってしまうかもしれないなぁ…
どこか寂しい気持ちを抱えながら手の中にあるフィルムを見ていると、ドイツがふと「あっ」と声を上げた。
「なぁ、イタリア。そのフィルム、DVDに焼かないか?」
「…え?」
驚いて振り返ると、ドイツがにこにこと笑顔で言った。
「そのフィルム、もう寿命近いんだろ?
だったら、見れなくなる前にDVDに焼けば…ずっと見られるぞ。
…イタリアがフィルムをいじりたくないならそのまま放っておくし、DVDにしてこれからも見返したいのなら…やってみる価値はあると思うぞ」
どうする?と、ドイツが首を傾げた。
ioは数秒考えたのち━━━…いや、答えはもう考える間もなく決まっていた。
ioは、ドイツにビデオテープを渡した。
「…じゃあ、これからも…」
「これからも父上の居た証を残すために…ドイツに、やってもらおうかな」
ドイツは、笑顔で頷いた。
父上。
貴方の教え通り、ioが困っていた時…ioを助けてくれる人が居ました。
ドイツと、日本。
ナチス・ドイツさんと、日帝さんの息子さんたちです。
辛いときは、二人が助けてくれました。
父上は、『助けてくれた』…で終わっていたと思います。
けれど、貴方は教えてくれましたね。
『どんな辛い時も、きっと助けてくれる人は居る。
けれど、その代わり、その助けてくれた人が思い詰めて悩んでいたならば、今度は自分が助けに行きなさい』
…だから、ioはその二人の事を助けました。
二人が思い詰めて悩んでいた時は、手を差し伸べました。
けれど、やっぱりそうしても後悔はあります。
あの時もっとうまく言えていたら、もっとうまく立ち回れていたら。
…そんな後悔は募ります。
けれど、『やらなきゃよかった』って思うことは、ありません。
きっと父上は、こういう後悔も多かったのでしょう?
父上。
人生において大切なことを教えてくれて、ありがとうございました。
ioは、これからも誰かを助け続けます。
たとえそれがのちに後悔することになったとしても、
貴方の教えを、忘れないために。
Fin.
…いやぁ、書きたくなって書いちゃいました。
イタリア王国がもし死んでいたら?という世界軸のもと書かせていただきましたが…
いやぁ、感情を吐露するイタ王は良いですね。
普段にこにこしている人が、裏では重苦しい感情と闘っている…
うちのイタ王はそんな二面性がございます。
ファシズムを掲げ、心を殺し続けるけれど…
やっぱり、イタ王本来の優しさとかって言うのが抑えきれずに自分の中で葛藤し続けてくれていたら良いなぁと思います。
ではこのあたりで。
さいなら。
コメント
6件
感動する、いた王、、、自分を責めないでね、、、
あーねソユコトね僕の考え押し付けるとドイツはソ連に 攻撃したみたいだけど日帝は可哀想だよね。 ヘタリア……ヘタリア! 長靴で乾杯だへたーりあ(((すんません いやみんなが着替えてる中パジャマで見る作品は 高揚感抜群よクソおもろかったけど