テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#命
ruruha
114
32
ゆきりん
537
#あはっあはっあはっあはっあはっあはっあはっあはっあはっあはっあはっあはっっあはっ
わかめ
44
シンデレラが消えた日の空は、とても綺麗だ。
君は、シンデレラのようだった。
お金持ちだが、継母に虐められ、父親はすでに病死。
姉は優しく、常に君のことを思っていたらしいが。
決定的に違うのは、君には迎えに来てくれる王子がいないことだろうか。
今なら、その役目は僕の役目だろう。
僕も、社会人になってからは、割と成功を収め、大富豪となっている。
妻もいないし、君を迎えに行けるレベルにはなった。
「でも、さすがに黄泉の国にまで迎えにはいけないなぁ…」
君は、もういない。
どうして逝ってしまったのかは、僕にもわからない。
継母の虐めに耐えきられず、というのは警察の判断だ。
僕としては、あんなに我慢強く、明るい子がそんな理由で、ことを起こすはずがないと思う。
継母は逮捕。姉は、静かに暮らしているという。
僕は、ただただ呆然としていた。
『いつか、迎えに行く』
そう言ったのは、3年前。高校の卒業式が終わってすぐ。
君は、いろんな感情で涙ぐみながら、頷いた。
その涙には、卒業したらさらに虐められるという悲しさと、僕が迎えに来てくれる嬉しさとかがあっただろう。
ただ、僕は貧乏だった。
お金持ちの君に結婚を申し込むべき人物じゃないし、継母を黙らせられる財力や力がない。
そんな男に逃げようと言われたら、君はどんな顔をするだろう。
それがずっとこべりついて、行けなかった。
でも、諦めたわけではない。
毎日、できる仕事はやっていた。サラリーマン、清掃員、商談、小説家……。
そこまでしてお金を貯めていたのも、君のため。
でも、君が死んでしまったから。
縄は、痛かっただろう。
時間がかかっただろう。
この3年間は、君にとってどれほど辛いものだったんだろう。
君は確かにいたはずで、ここには幸福があったはずで、あったからこそ、苦しみが生まれた。
僕は、馬鹿だ。
そんなお金に左右されず、さっさと君に会いにゆけば良かった。
君は、そんなことなにも思わなかっただろうに。
後悔しても、後の祭り。
泣き崩れたいけど、そんな資格どこにもない。
助けを求めるように上を見上げた。
とても、綺麗だった。
青く、深く、澄んでいた。
あの誓った卒業式の時のような春空。
君の優しい手のように、風がふわりと僕の頬を滑る。
シンデレラが消えた日の空は、とても綺麗だ。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!