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それはとても寒い冬の日のことだった。
「やっぱりそう思うよね?りっちゃん」
「………うん…」
「?…どこ見てんの、りっちゃん」
「…あ」
君の視線の先には私の姉がいた。
そうか、その目。好きな人を見る目だね。わかるよ。私だって、そうだから。
「……もー、りっちゃんぼーっとしすぎだよ!」
「え!?あー、ごめんごめん、なーちゃん。」
「あはは、もー、………私、ちょっとトイレ行ってくる。先教室行ってて。」
「え?うん…」
サイアク…。なんでお姉ちゃんなの?なんで私じゃないの?…なんであなたのこと好きになっちゃったの?どうしたらいい?わかんないよ…わかんないよ…。
ー放課後ー
「ごめん、待った?りっちゃん。」
「ふふ、待ってないよー」
「それより、早く部活行かないと。先生に怒られちゃうよ。」
「そーだね!早く行こ。」
「すみませーん、センセー。日直で遅れちゃって。」
「はい、もういいから早く着替えて練習するようにねー。」
「「はーい。」」
ー帰り道ー
「…はあ、またシュート外した。」
「はは、夏緒は相変わらずだなあ。」
「…うるさいなあ、お姉ちゃん。」
「まあまあ、お互い頑張りましょう。」
「お姉ちゃん、上手いからムカつく。」
「照れちゃうなー。」
「褒めてない。」
「ふふ。でも、ほんと上手いですよねー。夏香さん。」
「えー、後輩ちゃんもやっぱそう思うー?」
「当たり前じゃないですかー、我がバスケ部のエースなんですし。」
「……やっぱ、ムカつく。」
「えー!」
「あ!私たち家ここだから、じゃあね後輩ちゃん!」
「はい!また明日です。」
ー夏緒の部屋ー
……いつから好きだったんだろ…もしかして、会った時から…?そんな……。でも、まだわかんないし、自覚してないかもしれない。………なんで…私じゃないの……?
はぁ……もう寝よ。
………ん?ここどこ…?
「なーちゃん…♡」
「え?」
「大好き…♡」
「ちょ、ちょっと…」
「……り、りっちゃんどうしたの?きゅ、急にキスなんて…」
…もしかして…私の事…
「…緒!…夏緒!」
「…んぇ?」
「あれ…りっちゃんは…」
「はは、夏緒何寝ぼけてんのー。」
…あ、夢かぁ。そっか…夢か…。
…学校行こ…
ー学校ー
「おはよーなーちゃん。」
「あ…おはよー、りっちゃん。」
「てかさ、今日めっちゃ寒くない?」
「あー、朝雪降ってたよね。」
「えーそれほんとー?」
「……でさー、今日夢にりっちゃん出てきたんだー。」
「ふふふ、なにそれー、私のこと大好きじゃん!」
……………言わなきゃ。
「…そうだよ。私は」
キーンコーン、カーンコーン
キーンコーンカーンコーン
「え?なんて?てか予鈴鳴っちゃったし!急ごー!」
「……そうだね。」
あぁ、やだな。
ー昼休みー
「ね…りっちゃん見なかった?」
「あー、体育館行ってたよ。」
…そんな
「ありがとう…じゃ。」
「うん、じゃ。」
「いっ、いた、りっ…」
…あ。
…
…
「りっ、ちゃん。」
「あ…?なーちゃん…?どうしてここに…?」
「りっちゃんこそ……。」
「「………」」
「「あのさ!」」
「っあ、先に言いなよ…」
「あ、うん…」
「あのさ、み、見た?」
「何が?」
「わ、私が……な、なんでもない」
「……そっか」
「あのね、私ね、りっちゃんのこと好きなんだよ。」
「りっちゃんはお姉ちゃんが好きでも、私はりっちゃんが好き。ずっとずっと大好きだったよ。」
「え……あ、」
「なーちゃん…ゴメンね…ずっと…今まで」
「…律ちゃん……、友達のままで、いてくれる?」
「当たり前だよ…夏緒ちゃん…」
おわり