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深い森に囲われた屋敷には2人の令嬢がいました。
固い固い絆で結ばれた、仲良しの双子です。
でも、2人の令嬢は引き離されてしまいました。
1人は跡継ぎとして大切に育てられるようになり
もう1人はメイドとして跡継ぎの令嬢に仕えました。
身分で引き離されても、2人の絆は永遠です。
だから2人とも何があろうと乗り越えてきました。
2人の令嬢は、16歳になりました。
跡継ぎの令嬢が成人の式典を行いました。
メイドの令嬢は行えませんでした。
跡継ぎの令嬢には、婚約してる人がいました。
激情的で、むかむかしたら人に当たる人でした。
そんな婚約者を、跡継ぎの令嬢は支えました。
その人が、成人の式典で使うはずのモノを壊してしまいました。
でも、わざとじゃありませんでした。
なので、跡継ぎの令嬢は可哀想に思い、婚約者を庇いました。
跡継ぎの令嬢は、長くて難しい罪に問われ、地下の牢獄に囚われてしまいました。
そこから2日ほどたった日、ごうごうと牢獄の外から聞こえてきました。
跡継ぎの令嬢が鉄格子を覗くと、炎が燃えて燃えて大惨事でした。
跡継ぎの令嬢が呆然としていると、メイドの令嬢が牢獄の前にやってきました。
メイドの令嬢は短く言を告げると、牢獄を開きました。
メイドの令嬢は手を差し出しました。
跡継ぎの令嬢は手を取りました。
2人は走り出しました。
でも、走っている途中で騎士の人に刺されてしまいました。
刺されたのはメイドの令嬢でした。
騎士の人は刺すと、いつの間にか居なくなっていました。
メイドの令嬢を肩で担ぎ、跡継ぎの令嬢はまた走り出しました。
やっと森へ着いて、2人の令嬢はごろんと寝転びました。
昔、引き離されることも無く2人で過ごしていた時は、よくここで走り回って遊びました。
メイドじゃなくなった令嬢は、跡継ぎじゃなくなった令嬢を見てにっこり笑い、笑ったまま喋らなくなってしまいました。
跡継ぎじゃなくなった令嬢は、そんなメイドじゃなくなった令嬢を見て、にっこり笑い、深く深く森へ落ちてゆきました。
おしまい