「一毬はですねぇ、自分をよく知ってるんですっ!なので……強い自分も、早い自分も、ぜんぶ使っちゃいますよぉ♡」
▪ 能力概要:
自分の“過去の可能性”を引き出し、それを物理的に具現化する。
具体的には、「もしあの時、こうしていたら生まれていた一毬の別バージョンたち」を召喚する。
召喚される「自己」は、いずれも一毬本人でありながら、性格・戦闘スタイル・体格・スキルすべてが異なる。
いわば、“並行世界の自分”を場に呼び出して、チーム戦で一人を袋叩きにするような能力。
《格闘家一毬》:ショートカットで筋骨隆々のパワー系。ガチ殴り。
《スナイパー一毬》:片目スコープの冷静キャラ。高所からの支援。
《呪術師一毬》:呪言系のサポートキャラ。術式による束縛や弱体。
《怪盗一毬》:トリッキーな動きと分身能力を併せ持つ。高速移動で撹乱。
《魔改造型一毬》:機械義体の一毬。右腕がチェーンソー、左手がバズーカ。だいたい爆発する。
他にも「アイドル一毬」「大賢者一毬」「幼女一毬(バ火力)」など、状況に応じて切り替え可能。
・常時発動型。
・召喚できる数は最大5体まで。
・本体は戦闘に加わらず、後方で実況解説してる。だが、追い詰められると“全員融合”した《最強一毬》になる。
・召喚する“自己”がダメージを受けすぎると、本体にも反動が来る。
・本人が“自分に自信がなくなる”と能力が崩壊する。
・ウィスみたいな「何も考えずに殴るやつ」が天敵。
「なるほどですっ! つまり、一毬はぁ……最強ってことですよねッ!」歓声のような独り言が、瓦礫の街路に木霊する。
ウィスの前に、五人の“自分自身”を呼び出して、一毬はニコニコ笑っていた。一毬は立ち位置を分け、包囲陣を敷いている。
・左上、瓦礫ビルの影から《スナイパー一毬》が狙撃体勢。
・右、壁面を走る《怪盗一毬》が奇襲の動き。
・正面、拳を鳴らす《格闘家一毬》。
・上空、低空ホバリングして詠唱中の《呪術師一毬》。
・そして、後方から指示を出す《本体一毬》。
《呪術師》が先手を取る。
「ねぇねぇ、“体が鉛みたいに重くなる呪い”、受けてみる?」
空中から紫紺の文様が降り注ぐ――束縛系の術式。
すかさず《格闘家》が踏み込み、地を砕きながら突進。
だが、ウィスはそこにいなかった。
「…………なに、今のは?」
格闘家一毬の目が泳ぐ。
見間違いかと思った。
ウィスの“消失”は、呪詞の詠唱中、隙を突いた、爆発的な踏み込みによる移動。
地を抉る一撃で跳躍し、そのまま呪術師一毬の顔面を掴んで、上空へと叩き上げていた。
「ぎゃっ!?」
咄嗟に術式で浮遊するも、腕ごと捕まれている。
バゴッ
空中でウィスが回転しながら殴りつける。
呪術師一毬の身体が、拷問具みたいな折れ方で飛ばされ、瓦礫に突き刺さる。
《スナイパー》がすぐさま狙撃、
だが――
「遅い」
ウィスの左腕が瓦礫の破片を弾丸の軌道に投げる。
まさかの“迎撃”にスコープが吹き飛び、《スナイパー一毬》がバランスを崩す。
その瞬間、《怪盗》が背後に回り込む――と思ったその時。
後頭部に拳がめり込んでいた。
「はっ!? えっ、どうして背後が!?」
答えは単純。
ウィスは音で位置を把握し、足場の壁を叩き壊して跳びついた。
脳で処理するより先に“身体”が選んだ。
技術も予測もいらない。
目の前に敵がいる。だから、殴る。
「はぁいッ!」
《格闘家》が真正面から飛び込む――最後のカードだ。
カウンターの構えで渾身の拳を繰り出す。
だが、
ウィスはその拳を腹で受けた。
「……なっ」
手応えが、ない。
拳が当たったはずの腹筋が、
鋼鉄板より硬く、しかも反発すらしない。
「やり返していい?」
その言葉と同時に、
格闘家一毬は空にいた。
いや、“空へ吹っ飛ばされて”いた。片腕だけの打撃で。ゴム毬のように跳ね、彼女の身体は地面に数回バウンドしてから沈黙。
静寂。
そして、瓦礫の影から本体の《一毬》が、両手を挙げて出てくる。
「いやぁ〜〜〜すっごいですねぇ……なんかもう、ねぇ、はい、完敗ですっ☆」
明るい声は変わらない。だけどその瞳の奥が、初めて“理解”していた。
「これ、勝負って言いましたけど、試合じゃなくて処刑でしたね? なるほどです♡」
ウィスは言葉を返さない。
ただ、拳を一つだけ――
“上に向かって”突き上げる。
それが「終了」の合図だった。
コメント
1件
今回も神ってましたぁぁぁぁぁぁあ!!!!! なんか色んな一毬ちゃんが出てきましたねぇ...全員ボロクソにやられてたけど(( まあ、可愛いからOKとしよう!!!(?) てかウィスくん、君掃除屋さんなんて向いてなかったんだよ...日頃から本領発揮しよ!!? てかてか口角返してください(?) 次回もめっっっっさ楽しみいいいいいいいいいぃ!!!!!!!!!!