🇬🇧「アメリカ!!何ですかこれは…!」
🇬🇧「私が…楽しみに取っておいたのに…」
俺は、夢を…見ていたのか
『親父のお気に入りの紅茶を、キッチンに捨てた。
ティーバッグの空箱を見た親父 は顔を真っ赤にし、鋭い目付きで俺を探す。
怒鳴り声が近づき、俺は子供部屋のドアの後ろに隠れ、親父が来た瞬間、背中にアイスピックを刺す。
親父は情けない声を上げ、仰向けに倒れる。
水を欲しがる魚のように苦しむ姿を見た俺は、薄く笑った。』
という”虚構”の夢。
ただただ、刃向かうのが怖かった。
虐待という名の歪な愛が
体に重くのしかかっていたから。
だから、俺は妄想の中で
何度も何度も殺した。
それらを行動に移す事は無く。
巧妙に作り込まれたシミュレーションを、頭の中で再生するだけだった。
13歳
俺はようやく解放された。
フランスが親父の家に招かれた際、俺の虐待に気付いて、こっそり通報してくれたらしい。
🇫🇷「今日から僕が君の面倒を見る。君の父さんには会わせないから、安心して。」
透き通る声で、俺の頭を撫でた。
そんな様子を見て、そっと胸を撫で下ろした。
影で殴られたり、犯されたり
言いなりになる必要も無い。
鳥籠から出られた俺は、思い切り羽を広げ
幸せを掴む。
はずだった。
吐きそうな匂いがする。
色褪せた椅子、ぐらついた勉強机、ぎっしり詰め込まれた学習本… 目に入った情報は十分過ぎるほど。
埃を被った家具が置かれただけの無機質な空間。
その空間は時に恐怖へと変貌することを、俺は知っている。
13年間、閉じ込められた監獄
紛れもなく
🇺🇸「俺の…部屋」
しかし、昔と違う所が1つだけある。
両手両足の自由が効かない。
感触からするに、縄で硬く縛られている。
🇺🇸「 一体どういうつもりだ?」
🇺🇸「 なぁ、” イギリス”」
目と鼻の先にいる男に、言葉を投げ捨てた。
🇬🇧「ッ……時間の流れは余りにも残酷です。」
🇬🇧「もう一度、”あの頃”に戻ってくれませんか?」
🇺🇸「いい加減にしろよ。お前にどれだけ苦しめられたと思ってんだ?」
沈黙が走る
それを殺すかの如く、男はため息を吐いた。
🇬🇧「 貴方は一から教育する必要があります。」
🇺🇸「は…?何言ってんだ?」
じわじわと背中に汗をかく
🇬🇧「欲しい物を手に入れる為なら、私は手段を選びません。」
嫌な予感がする
また、あの頃のように……なるのか
俺は…一生……
逃げられない運命なのか…?