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今回も神ってましたぁぁぁぁぁぁあ!!!! おーなんかやべえ奴来たぞ() 中層の人達もさすがに引いてるて...でも心強い...のか?? こういうバカっぽいタイプって案外強いんよな...さあ一毬たんどうする! 次回もめっっっっさ楽しみいいいいいいいぃ!!!!!!
「衝撃を蓄え、跳ね返す」シンプルな異能。
爆発・打撃・魔力の衝撃すら、“喰らえば喰らうほど”反撃力が上がるタンク型。
一撃目で吹っ飛んでも、二撃目には化ける。
弱点:痛みとセット。要するに、殴られてからが勝負というマゾ仕様。
「中層ナメんなよ、コラ!!」
「正義ってのはなァ、立ち上がり続けるやつが名乗っていいんだよ!!!」
瓦礫の中から助け出した少年に泣かれた瞬間、覚醒。
「市民に泣かれたら、それはもう戦争や!!!!!」 → 全力で一毬の進行ルートに割り込む。
──《中層第11区・スラム境界線》、
「待てやコラアアアアア!!!」
爆発で吹っ飛ぶ車、弾ける信号機、舞い上がる瓦礫の雨。
その中心へ、真っ直ぐに走ってくる馬鹿が一人。
煙の中を駆け抜ける筋肉バカ、いや、筋肉の塊。
汗と血に塗れたジャージ姿、タスキには「民の盾」とデカく手書き。
本人いわく「市民の中の市民」。
周囲いわく「こいつだけ頭おかしい」。
砂煙の奥で“狂気の疾走”が響く中、また一つの戦火が灯る。
「オオオオオオオオ!!!」
「ワアアアアァァ……また来た!?!?」
ナダレ・トウドが叫びながら、路地裏を突破。
その拳は、既に数トン級の鉄扉を何枚もぶち抜いた後だった。
足場にした街灯はねじ曲がり、壁には人型のクレーター。
その先には――《無窮自己列伝》で召喚された5体の“別一毬”。
それぞれが中層を破壊しながら、楽しげに進行中。
「うふふふ♡ 今日は一毬たちで、お祭りなんですからぁ~♡なんですかぁ? 筋肉モリモリお兄さん、乱入希望ですかぁ~???」
上空は《スナイパー一毬》が、背後は《怪盗一毬》がフェイントをかけ、側面は《格闘家一毬》が真正面から殴りかかってくる。
が――
「テメェらが5人? こっちは“5発くらい殴られて溜めた力”があるんだよ!!」
トウドが《格闘家一毬》の拳を、腹で“受ける”。
骨が軋む音。呼吸が止まるほどの衝撃――それすら、
「ッッしゃああああああああ!!!!!」
喰らって、返す。次の瞬間、蓄積された《轟反撃》が暴発する。
ドゴッ!!! という音とともに、空間が一瞬だけ凹む。
格闘家一毬が、爆音とともに後方の建物を突き抜けて消えた。
「えっ……今のって、あの……私の筋肉担当!?!?」
「一匹目、オッケェイ!! ほら来いや、次ッッ!!!」
■ ──《市民代表 vs 多重一毬》、開幕。
トウドはただのバカじゃない。《轟反撃》の性質を最大限に活かし、殴られるたびに火力が上がっていく。
しかも、ターゲットが複数なら、それぞれの攻撃を“蓄積素材”にできる。つまり――今の彼は、「複数戦が最も燃える」状況。
「ちょ、ちょっとぉ! これは聞いてないですってばぁ!なんか……なんか……正義の味方のテンプレすぎません!?!?!?」
「黙れ!!!! 市民を泣かせた分、3倍にして返す!!!」
「えええ!? それ個人の感情じゃないですかぁ!?!」
並行世界の“自分”たちが殴り倒されていくのを見て、
初めて――一毬の表情が、ほんの一瞬だけ、引きつった。
その時だった。
「ちょっと、話が違いますわよ」
──《呪術師一毬》が、背後からトウドに呪言を放とうとした、その刹那。
「黙れッ!!!!!!!!」
――地響きのような怒声。まさかの、声そのもので《呪術師一毬》の術式を“割る”。
「バッ……ばかなッ!? 否定、された……!? 私の言葉が……!?」
「黙って戦え!! バカなりに真っ直ぐやってんだよッ!!!」
一毬、本体。
その数メートル後ろで、安全圏から高笑いしていた彼女は、
とうとう、自分の肩が震えていることに気づいた。
「……え、なにこれ。震えてる? え、え、一毬が?そんなはずないじゃないですかぁ……だって一毬は――」
その独り言が、“自信”を削ぎ始めた。そして、彼女の能力が、少しずつ揺らぎ始める。
──《無窮自己列伝》、微細な不安定化。
“無敵”の幻想にヒビが入った瞬間だった。