人外研究所のチャットノベルの登場人物紹介を見てもらえればわかるんですけど、ランスくんって滅んだ国の王子様なんですよね
んで、忌み子として扱われてて
そのお話をふと書きたくなったので書きます!
過去編のところに書くでもよかったけど、まいいでしょう
むかしむかし、と言ってもそんな昔ではない話
世界のどこかに獣人たちが住まう小さな国がありました
その国の王族は猫の獣人で、代々金色の美しい髪と耳と尻尾を受け継いでいました
ある年、王様のもとにほかの王様の子供の誰よりも美しい輝く金色の髪を持った王子が生まれてきました
ですが、誰もがその王子を見て落胆の声をあげました
その王子は真っ黒な耳と尻尾を持って生まれてきたからです
人々は口々にこう言いました
「あんなにも美しい髪を持っているのにもったいない」
「黒い耳なんて見たことがない。悪魔の子じゃないのか?」
「王様もおかわいそうに。美しい髪を持っていながら王の地位を継がせることが出来ないなんて」
王子、王様を憐れむ声
王子のことを畏怖する声
様々な声に王様は不安を煽られ、王子を王子の母親とともに離宮に閉じ込めてしまいました
それからまた数年後
順調に育っていた王子は自分が父親から歓迎されていないことに気づいていました
離宮内の使用人たちの視線
物心ついたころから姿を現さない父親
離宮の外にたまに姿を現す自分の兄弟らしき人間の声
こんな環境に置かれた幼い王子の心は崩壊しかけていたのです
それでも王子が心を保てていたのは母親の存在のおかげでした
王子の母親はとてもポジティブな人で、普通の人では思いつかないアイデアを考え出す不思議な人でした
いろんなアイデアを考え出す母親は王様から請け負った仕事であまり王子と家族の時間をとることができませんでした
ある日、珍しい母親の休みの日
これまで取れなかった家族のかかわりを取ろうと母親は王子を自分の衣裳部屋へと連れていきました
「おかあさま、ここは…?」
「ここはねー、私の衣裳部屋よ」
「いしょうべや」
「そう。ちょっと待ってねー、ランスに見せたいものがここら辺に…」
そう言いながら王子の母親は自分のドレスに顔を突っ込みながら何かを探しています
「あ、あった」
母親が取り出したのは王子の髪色に引けを取らない黄色のドレス
胸元には赤い猫目石がはめられたブローチが付いています
「このドレスはなんですか?」
「ふふふ。このドレスをね、ランスに着てほしいの!」
「え?」
母親の発言に王子はポカンと口を開けています
王子が頭の上に?を浮かべていると、母親は瞬く間に王子をドレスに着替えさせました
「さっすが、私の息子!ドレスが似合うわねー!」
「に、にあう…?」
「そうそう。ランスは男の子物より女の子物が似合うわよー!髪が短いのがちょっと残念だけどね」
王子は母親からの言葉にとても喜びました
これまであまり感じなかった親からの愛情
その味を知った王子はドレスを着続けました
そして母親の言葉の通り髪を伸ばし続けました
それは幼い子供の小さな欲望
母親にまた喜んでもらいたい
また褒めてもらいたい
そんな感情が王子を動かし続けたのです
ですが、王子が母親に喜ばれたり褒められたりすることはもう二度とありませんでした
王子が母親を待っている間に王国は滅んでしまったのです
王子は幸運か不運か、髪を伸ばしドレスを着てたおかげで王子と見られず殺されることはありませんでした
しかし、王子は唯一の愛情をくれた母親は王様と一緒に殺されてしまいました
自分の命と引き換えに愛情を失った王子の心は空っぽになりました
そして、王子の空っぽの心はある一人の研究員によって満たされていくのでした
時間がかかるにつれて話が適当になるのはどうしたらよいのか
成長してからもランスくんは結構女装してます
顔面偏差値が高いので美人になります
成長したランスくん描きたいけど画力がねぇんだ…!
誰か画力分けて
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