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3時間後
俺は少し早く目覚め、椿の様子を見に行くことにした
【手術室】
青いライトが付いている手術室
その中央の台の上で椿は仰向けになっていた
朝「…椿、大丈夫か?」
夏「大丈夫なわけないでしょ?こんなところに私を放置して…」
椿は不貞腐れたように頬を膨らませた
確かにこんな冷たそうな台の上に放置とは…
Rc2も中々に人の心がないんだな、人じゃないけど
朝「…これから義足を取りに行くんだ。」
夏「…義足ね」
朝「…足は痛むか?」
夏「勿論、幻肢痛でしたっけ?そのせいで最悪よ!」
朝「…悪い」
夏「なんで貴方が謝るの?」
朝「俺は、なんもできなかったから…」
あの時、化け物に早く気づけていれば
椿は足を失ってなかったかもしれない
夏「…まだ、出会ったばかりだけど」
夏「貴方はそのままでいて。無理に変わる必要はないから」
朝「なんだよ急に…」
夏「忠告よ、私からのありがたいお言葉だと思いなさい」
朝「はいはい、じゃあ俺は行くから。飯置いとくな」
夏「えぇ、私のためにいい義足をね」
朝「任せとけ」
俺は手術室を後にした
【病室】
R「朝日奈さん、おはようございます。」
朝「Rc2、おはよう。」
R「もう皆さん起きてますよ」
酒「おはよう」
夜「…」
なんだ、もう起きてたのか
酒「そういえば、未来の服って汚れてんだろ?」
朝「あぁ」
すっかり忘れていたが、化け物の返り血のせいで黒いシミが付いている
酒「伊織が服貸してくれるって」
朝「え?でも…」
伊織とはかなり身長差がある。
俺が着れるかわからない
夜「俺のっていうか、倉庫にあったやつ」
朝「倉庫?」
夜「うん、服と洗濯機しかないけど」
朝「そんなところあるのか…」
夜「はい、これ」
朝「ありがとう」
白いワイシャツと黒いズボン、そして見覚えのある校章バッチ
俺が通っていた高校の制服だ
R「僕と同じ服ですね。」
酒「…確かに、言われてみればそっくりだな」
夜「偶然だよ。どうせ」
朝「…まぁ、そうだよな。ロボットだしな」
R「…」
Rc2の服には校章バッチは付いていないし、この制服なんて似たのは沢山ある
だからあまり気にしなくていいだろう
R「今日の義足探しは二手に分かれませんか?」
酒「なんで?」
夜「…A館とB館を周るチームを決めて、効率的に探して行きたいんでしょ?」
朝「そういうこと?」
R「その通りです。」
夜「じゃあA館は未来が周りなよ」
朝「なんで俺?」
夜「B館より安全だし、お前には丁度いいよ。」
朝「…」
R「…じゃあ、僕もA館をまわります」
酒「俺は賛成だけど…」
露骨に伊織が嫌そうな顔をする
夜「そっちは、戦える奴がいなくて大変じゃない?俺でもいいならそっち行くよ」
R「大丈夫です。僕は一応戦えるので」
夜「ロボット三原則があるじゃん」
R「あくまで人間のみなので」
夜「…」
酒「じゃ、じゃあ決定でいいな!俺は伊織とまわるから」
朝「あぁ、いいんじゃないか…」
夜「…」
R「決まったのなら早速行きましょう、早めに終わらせたいです」
酒「賛成、どっちが早く義足持って帰れるか勝負な!」
朝「そんな無茶苦茶な」
酒「はいはい、じゃあスタート!」
夜「おい…」
由鶴は何やら忙しなく、伊織の腕を掴んで走り去って行った
R「…僕たちも行きましょうか。」
朝「そうだな」
俺は服を脱ぎ、制服に着替えた
そして床に放り捨ててある鉄パイプを拾った
R「鉄パイプ…ですか?」
朝「一応護身ようにな、Rc2は何か持ってく?」
R「僕はいりません」
朝「もしかしてロケットパンチできるとか…」
R「…やっぱり何か持って行きます」
朝「なんなんだよ」
Rc2は何かないかと部屋を彷徨いた後、刃渡りの短いナイフを持って来た
R「…では、いきましょう」
朝「あぁ。」
俺たちは暗い部屋から一歩、前へと踏み出した