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私、赤松楓!
ひょんなことからこの薬、『ヤンデレになる薬』
を手に入れたの!
手に入れた経理?
それは良い子のみんなには内緒だよ!
私には、この薬を使ってヤンデレにしてみたい人物がいた!
それは最原君。
だって絶対ヤンデレないじゃない?最原君って。
それは星君やキーボ君もかもしれないけど…
でも、私は最原君のヤンデレが一番見てみたいんだ!
だから!!
これを使って早速最原君をヤンデレに堕とすよ!
「おー!」
「さっきからどうしたの?赤松さん」
フレンチトーストとスクランブルエッグの香ばしくいい匂いと共に近づいて来たのは―
「東条さん!わぁ、今日も美味しそうな朝ごはん…!いつもありがとう。」
「喜んでいただけて何よりよ。そして、さっきから何をしているの?」
「えっ?いやぁ…なんでもないけど…?」
まさか、東条さんに疑われるなんて。
そんなに私変なことしてたのかな…!?
「あらそう?ならいいけど…私はこれからキッチンの掃除があるから行くわね。最原君のもこっちに置いてていいかしら」
ふぅ…何とか切り抜けた。
それに、最原君の料理を託してくれるのはすごく好都合だよ!
「うん、私が守っておくよ!」
「ふふ、助かるわ。食べ終わったら置いてていいからね」
「ありがとう。掃除、頑張って!」
「ええ、掃除もメイドの仕事だもの。真摯に頑張らせていただくわ。」
そして東条さんがこの場から去るのを見送って…
チャンス到来!今こそ、この薬を最原君の朝食に入れるんだ!
ごめん東条さん…と呟きながら、最原君の飲み物に薬を垂らしていく。
少しだけって思ってたけど、結構入れちゃった。まぁ、大丈夫だよね…?
「おはよう、赤松さん」
「うわぁ!あ、おはよう…最原君…」
びっくりした…最原君か。
「…?どうかしたの?」
私ったら反応しすぎるのかな?早速怪しまれちゃったよ…。
どう言い訳しよう…あ、これなら!
「ううん!昨日の夜ホラー映画見ちゃって!それで、ね!」
なんだか私でもゴリ押しに感じるけど…何とか!
「あぁ、僕もわかるよ。ホラー小説読んだあととか、些細なことで驚いちゃうし」
「そうだよね!うんうん!」
よかった…バレてないみたい。
「それより、朝食冷めちゃうよ。早く食べなよ!」
「え?あ、これ僕の?ありがとう。じゃあいただくね。」
そう言って最原君はご飯を食べ始めた。
私はそれをドキドキしながら見守った。
「えっと…そんなに見られると食べづらいよ…」
「えっ!?ごめんね!そうだよね…」
こんなんじゃ余計怪しまれるよね…
あれ…最原君もなんか黙り込んじゃったし…!
もしかしてバレた!?いや、まだ判断を下すには早いよね!
はぁ…E・チュマチェンコのカルミア・ブラーナを弾いてる時と同じくらい緊張する…
そうこうしているうちに、最原君が朝食を食べきった。
「ご馳走様。赤松さん、さっきから様子が変だけど、どうしたの?」
「なんでもないよ?そんなに変?」
「…そう」
「…最原君?」
「あ、ごめん。考え事してて―」
すると突然、最原君は目眩のようにふらついた。
「大丈夫!?」
「う、うん…」
「きっと疲れてるんだよ!ここのテーブルで少し休憩していったら?」
「うん、そうするよ。ありがとう」
「友達を気遣うのは当然のことだし…」
うん、絶対そうだ!!
ほんとにごめん最原君、料理を作ってくれた東条さん…!
「じゃあ、少しだけ休憩しておこうかな」
「うんうん!私、ここで座ってるから!誰か来ても何とか対処しておくね。」
「ありがとう…助かるよ」
そして最原君が眠りにつくまで見守った。
さて。
どうしよう。
治療薬も一応持っているけど、すぐに治療したら私があんなにしてまで薬を入れた意味が無いし…
努力を水の泡に返したくないし。
まぁとりあえず、最原君が目を覚ますまで待つか…
…
最原君がすやすやと、気持ちよさそうに寝ている。
なんだか、私まで眠くなってきちゃったな。
ここで寝るのはいけないと思うけど…
それに、さっき最原君に言ったことが守れなくなっちゃうけど…。
じゃあ、私も少しだけ…
誰も来ませんように。って、アンジーさん程じゃないけど…神様に祈った。
…そして、しばらくして私の意識はまどろみの中に消えていった。