「おい、まどか! トイレで何をしてるんだ?」
萌香は、宿の狭い廊下を歩きながら、声をかけた。返事はなかった。まどかは、トイレに行ったきり、戻ってきていない。
サブが苛立たしげに腕を組みながら歩き始めた。
「さすがにちょっと長すぎだろ。何かあったのか?」
みりんも心配そうに顔を見合わせる。
「まどかのことだから、なんかトラブルに巻き込まれてるかもな。でも、あの子は気が強いし、大丈夫だろう。」
それでも、しばらく歩いてもまどかの姿は見つからない。みりんが不安そうに小さく呟いた。
「もしかして、まどか、誰かに…?」
その時、外から不自然な音が聞こえてきた。ガラスがひび割れる音、何かが倒れる音、そして次に響くのは静寂だった。
サブがすぐに外に駆け出す。
「まさか…!」
扉を開けると、見渡す限り静まり返った夜の街並みが広がっている。だが、サブの目に飛び込んできたのは──
「……まどか!?」
遠くの木に、まどかの首が磔にされていた。
その姿は無惨で、まどかの目は空虚に見開かれ、髪が夜空に舞っている。血が鮮明に染まった首元は、誰かによって無情に引き裂かれていた。
萌香とみりんが続いて駆け寄る。
「こんな…まどか、何が…?」
みりんは、涙をこらえながら首を振る。
「誰がこんなことをしたんだ…?」
サブは拳を握りしめ、怒りと悲しみを交えた表情で立ち尽くす。
「《黒影》だろ…やつらがやったんだ…」
萌香が声を震わせながら問いかける。
「私たち、どうすればいいの?」
サブはしばらく黙っていたが、最終的に冷静さを取り戻して口を開く。
「まず、まどかの仇を取る。そうするしかない。」
みりんと萌香は頷き、三人は再び闇の中へと足を踏み出した。
その先に待つのは、復讐か、死か。
コメント
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。・゚・(ノД`)・゚・。まどかぁぁぁぁ そういやぁフクロウどこ行った?w