日常短編集
ぺいんと視点
梅雨に入る時期
授業中、雨が降りざーざーと音を立てる
そんな心地いい音を聞きながら、授業を受けていた
放課後の教室、らっだぁに放課後の教室で待っててと言った
らっだぁは色んな人からモテる。
俺は不釣り合い、だから……別れを告げるつもり。
教室のドアをガラガラと鳴らし、らっだぁの立つ場所へ向かった
ぺ「遅れてごめんっ」
ら「いいよいいよ、ぺんちゃんとためならいくらでも待つ!!」
ぺ「……そのさ。ちょっと話さない?」
ら「いいよ!話そ!」
それから色んなことを話した。
すると途中でらっだぁは寝てしまった。
それから数分経ったくらいに俺は口を開いた
「雨音が響いていますね。」
そう呟いてから、らっだぁを教室に置いて帰ろうとした
教室の扉を開こうと手をかざした時
「…ぺんちゃん?」 と声が聞こえた
振り返ると、らっだぁが泣いていた
ぺ「らっ……ッ!」
ら「離れないで……ッポロポロ」
ぺ「……でもッ」
ら「お願いだから……ッ」
ぺ「……ッ分かった。ごめん。」
多分あいつは知ってたんだろう。
「雨音が響いていますね」の意味を
もう……もう、いなくなるから
だから。言ったのに
何してんだ……俺…
帰る頃には雨が上がり綺麗な月が見えた
するとらっだぁが
「月が綺麗ですね。」
と言った。だから俺は
「星も綺麗ですよ。」
と言った。
あいつはこの言葉の意味を知らない。
だから。もう、何も言わない
2人で帰るのも、言葉を交わすのも
これが最後……最期だって決めたから
もう……長くはないんだ。
そう考えているとらっだぁが
ら「ぺんちゃん、俺のこと……好き?」
と聞いてきた。
道端に目をやると、イヌホオズキが咲いていた。
嗚呼、今かららっだぁに言うこの言葉は……きっと──
ぺ「うん。ちゃんと好きだよ」
嗚呼……こんなこと言いたくなかったなぁッ。
これが最期だなんて。
なんで……嘘しかつけないんだろうなッ。
ぺ「こっちだから。じゃあね。」
ら「またね。」
「またね。」その言葉に込められた意味はどれほどあるのだろうか。
また俺に会いたいっていう意味があるんだろう。
でも、もう叶わない。
どれだけの願いを捧げても、神に届くことは無いんだ。
おまけ(豆知識)
「雨音が響いていますね。」→「あなたを愛していました。」(過去形)
「月が綺麗ですね。」→「あなたを愛しています。」
「星も綺麗ですよ。」→「あなたに憧れています。」
「私の気持ちを知らない。」
イヌホオズキの花言葉→「嘘つき」
長編化見たかったら言って欲しいです……!できたらやります!
コメント
25件
言葉って奥深くて面白いですよね✨
流石すぎです、頭が上がりません <(_ _*)>
もう凄い✨