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その日は時間が遅く叔母さんは帰って行った。
その後は御飯を食べた。
身体が動かないとこんなにも暇なんだと思い知らされた。
本も読めずテレビも見れず、
唯、天井をぼーっと見て過ごすしか無い。
思わず、
椛.「暇だな」
と言ってしまった。
自分の部屋は一人部屋だった。
そりゃそうだな。
こんなにも酷い姿だもの。
沢山の点滴が繋がってるし。
全身包帯で巻かれているしな。
先生によるとリハビリすれば良くなると…,
言っていた。
其れも酷い事故に逢ったのに、このぐらいで済む事が奇跡だ…って。
事故の時の事は覚えていないが、
どんぐらい酷かったのだろうか。
気になってしまう。
と沢山考えているにも睡眠欲には勝てないな………。
その後も天井を見てぼーっと過ごしての繰り返しだった。
けれど、ちょっとずつ回復してきていた。
後遺症は残るだろうと…先生が言っていた。
リハビリも看護師さんが手伝ってくれる。
確実に自分の容態は良くなっていた。
椛.「ん”ん……,」
看護師.「ぁ、椛ちゃんおはよう。」
椛.「おは、ようございます、」
看護師.「身体はどう?何処か痛くない?」
椛.「だぃじょうぶです…。」
看護師.「そっか、何か合ったら呼んでね。」
椛.「はぃ…。」
朝起きたら毎回聞かれる。
「何処か痛くない?」
大体の理由は予想は付いていた。
何か合ったら良くないのだろう。
症状が悪化してしまったりするから聞くのだろう。
そうやって考えて間に叔母さんが御見舞いへ来てくれた。
叔母.「椛…,身体はどう?」
椛.「リハビリのおかげで脚も柔らかく動けるようになったよ。」
叔母.「そうなのね、良かったわ…。」
「御免ね…,先週は行けなくて。」
椛.「大丈夫だよ。」
「仕事…,でしょ?」
叔母.「えぇ、凄く忙しくなっちゃって。」
椛.「………,そっか。」
その後も叔母さんと話した。
少し叔母さんが御見舞いへ行く回数が減っていた。
叔母さんは”忙しい”と言っていたが、違うだろう。
何だかの理由がある筈…,と思っていた。
その後もリハビリして御飯を食べて過ごした。
そんなある夜。
椛.「つまんないな。」
そんな事を思った。
窓を開けて空を見上げた。
その夜の月は特別綺麗だった。
嫌、そう見えた。
月は薄雲に隠れほのかに照る月だった。
薄月と言うらしい。
椛.「~~~~♪」
あれ、歌っている?
何故だろう勝手に口が歌っている。
嗚呼、楽しい。
こんなにも歌う事が楽しいなんて…。
知らなかった。
椛.「~~~~~♪」
身体も歌に乗せて踊ってしまう。
楽しい。
もっと歌いたい…。
色んな歌を歌いたいっ!!
椛.「ぅあっ…,!!」
(バタッ)
脚が動かない。
嫌、自分がそうしてしまったんだ。
“「そうやって調子乗っちゃうからだよ。」”
椛.「ッ”……?!!」
「事故だってそうさ、貴方がウタうからだ。」
「貴方の歌声は悪魔なんだ。」
「不幸を招き入れる”悪魔”なんだ。」
椛.「ぇっ……,」
「貴方の歌声を聴いた人は全員亡くなっちゃった。」
「其れか事故に遭う。」
「病気になる。」
「”私”のせいで御母さんと御父さんを×したんだよ。」
椛.「ぁ”、あ”ぁ”ぁぁッッ!!」
自分は悪魔なんだ。
こんな私が生きていたら皆を不幸にさせてしまう。
要らない。
こんな私は要らないんだ。
“ウタ”を愛す私何か要らない。
こんな私は”邪魔”だ。
(キィーーーッッ!!)
(ドンッ!!)
第3話
《悪魔の歌声》