「さぁ、皆。神様の為にどんどん折り鶴を折りましょうね。」
私の住んでる花鳥村は、小さい頃から3年に1回村民全員が折り鶴を折る。その名も神鶴。羽に自分の名前を書き、全員の折り鶴を集めて、神台と呼ばれる台の上で燃やす。燃やしたら神様が褒美に土地を豊かにしてくれるのだ。
「来たかー、神鶴の日。なんで鶴なんか、折るんだろ?」
「そんなこと言わないの‼️神様に誠心誠意真心込めて折りなさい。」
いやいや、誠心誠意真心込めて折る意味がわからんわ。
「ちぇっ、はーい」
今回は、緑色にしよ。キレイだし。緑色は毎回1枚しか用意されているないから特別感あるしね。
「あらァ、恵理子。緑色なのね!いっつも無くなってるのに…運が良いのね。」
「まぁ、ね」
そういえば緑色って一番神様に近づけるんだっけ?わかんないけど。
「……でーきた」
「お母さんに頂戴。お母さん今回神鶴実施委員だから。」
「そうだったね。はい、どうぞ」
「はい、じゃぁ、置いてくるわね。」
「そろそろ燃やし終わったかな?」
お母さんが行って1時間ほどたっていた。さすがに遅い。
「ただいま。」
「おかえり、遅かったね。」
「……お母さん?」
お母さんは黙っていた。すると、
「恵理子。今回はおめでとう。」
「?、何が?」
お母さんは今まで見た事ない笑顔で、
「今回の人鶴は、恵理子よ。」
そう言った。
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