先天色覚異常
俺だって色を知りたいよ…
君のきれいな瞳の色を見てみたいよ…
あれから約1年後
橙「今日で卒業だー」
紫「あっという間だったね」
君と出会えてから毎日楽しかったよ
本当に……
橙「ねぇ」
橙「たまには会おうね」
紫ーくんは元から成績が良かったから
私立の難関大学に行くんだけど…
俺はお金はもうかけられないから
高卒で就職した
だから時々しか会えなくなる……
さみしいな……
紫「そのことなんだけど…」
紫「このあとさ桜…見に行かない」
橙「?いいけど」
橙「なんかあるの」
紫「ちょっとね」
〜桜並木にて〜
紫「……」
紫「俺たちが出会ったのも桜が咲く頃だったね」
橙「…もうそんなに経つのか」
紫「桜ってねピンクでとっても綺麗なんだよ」
橙「見てみたいなぁ」
君と一緒に……
紫「ねぇ……橙くん」
紫「結婚してください」
橙「…ぇ?」
突然だった
嬉しかった自然と涙が溢れてきた
でも…
橙「俺と居たら迷惑ばかりだよ…」
本当は一緒に居たい……ずっと………ずっと
紫「…そのことだけど」
紫「ちょっと目を閉じててね」
橙「分かった……」
何かが顔に触れた
紫「開けていいよ」
その瞬間
綺麗な紫色の瞳と髪をした彼に目が移った
想像よりもずっとずっと美しかった
橙「えっ?」
橙「な…んで」
そして周りを見渡した
橙「い…ろ見える……」
再び彼を見ると…
紫「ニコッ」
泣きながら笑っていた
その瞬間俺は我慢できなくなって
その場で泣き崩れた
それからどれくらい時間が経ったのだろうか
彼はずっと抱きしめていてくれた……
ようやく落ち着くと
紫「良かったね」
橙「ありがとう…ほんとに」
紫「ねぇ」
紫「返事聞かせてくれないかな?」
答えはもちろん
橙「こんな俺ですが…よろしくお願いします」
この言葉を言った瞬間…
彼の綺麗な顔から雫がこぼれていった
そしてお互いに抱きしめ合って
声を上げて泣いた…
今度は俺が君を幸せにしたいから
改めて本当にありがとう
言葉じゃ表せないくらい大好きだよ
紫「俺もだよ」
橙「ニコッ」
先天色覚異常
end
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