時刻は午後10時。
「キヨく゛ん゛!!これ無理だ怖すぎる!!」
「wwww」
俺はPーPの家でホラー実況を撮っていた。
こいつは極度のビビりで、俺とは真反対の性格だ。
ホラー実況を撮っている、と言ってもPーPは俺のプレイを隣でみてビビっているだけなのだが…
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「あ゛ーー…怖かった…」
「すっごい叫んでたもんねPーP」
「逆になんで叫ばないの!?」
今の時刻は午後12時
俺らは実況が撮り終わり、ゲーム機械を片付けていた。
「PーPはもう風呂入ったんだよな、俺入ってきてもいい?」
「うん…怖いからはやくあがってきてね」
「…wwほんっと怖がりだな」
「うるさい!w」
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俺は風呂からあがり、PーPのもとへと行く。
「あ゛、キヨくん…」
「何おまえまだビビってんの?」
「だって怖かったから゛!」
声も枯れちゃってるし…
これは早めに寝た方がよさそうだな。
そう思い、俺はいつもPーPの家に泊まる時に使う毛布を出そうとした。
しかし、
「あ、き、きよくん…」
「ん?どうしたPーP」
「今日はその、ベッドで寝ていいよ」
「え?じゃあお前はどこで寝るんだよ」
「えっと、だから、その…」
「………僕と一緒に寝てくれない…?」
俺は身体が完全に固まる。
…こいつ、今なんて言った?
「き、きよくん…?」
PーPの不安そうな声が聞こえ、俺ははっとする。
「…いや、男二人が寝るにはそのベッドじゃ狭いだろ…」
冷静を装いPーPに言う。だが、内心はひどく動揺していた。
「確かに…でもお願い!キヨくん」
PーPがベッドの上でお願いしてくる。
…こいつ無防備すぎるだろ…
「あぁ、わかった。今日だけだからな…」
そんなPーPに俺は屈して、願いを聞き入れてしまった。
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俺はPーPのいるベッドの中に入る。
「…狭いな」
「う、うん」
PーPとは数年来の付き合いであるが、初めて気まづいという感情が溢れる。
ギュッ
「へ…?ぴ、PーP?」
「あっごめん…さっきのホラーゲーム思い出したら怖くなっちゃって…」
「あ、そ、そう…?」
心臓が跳ね上がる。
な、なにこれ…俺がPーPのこと意識してるみたいじゃん。
PーPはただの友達だから!!
…いや、一緒に寝てる時点でただの友達とは言えないか……
PーPが俺に抱きつきながら眠りについた。
俺はしばらく眠ることができなかった…
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「ん゛〜」
(昨日はホラーゲーム怖かったな…)
…あれ、昨日の夜どうやって寝たんだっけ?
ふと、隣を見るとキヨくんが寝ていた。
「うわぁっ!キヨくん!?」
「ん゛…あ、おはようPーP」
「き、キヨくん…おはよう…あのー…昨日はごめんね?」
「あー全然。…ていうかPーPってああいうこと誰にでもすんの?」
「ああいうことって?」
「…寝てる時に抱きついてくるとか」
「え」
まって、僕そんなことしてたの!?
超恥ずかしいじゃん…!
「まって!それは無意識でやっちゃっただけで…!
ていうかそもそもキヨくんだから一緒に寝たんだから、誰にでもやってるわけではないから…っ」
あれ、これ今僕めっちゃ恥ずかしいこと言ってない?
キヨくんの方をみると、顔が真っ赤に染まっていた。
「な、なんだよそれ…」
「あ、違くて!いや違くはないんだけど」
僕もつられて顔が赤くなる。
僕たちはしばらくホラー実況を撮るのが気まづくなった。
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