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「…え…?」
僕は頭が真っ白になった
だって、今までそんな事無かったから
僕の目からはいつの間にか涙がこぼれていた
次の日
暗い気持ちで学校に行く
あぁ…何でこんな事になるんだろう
僕ってついてないのかもしれない
僕の気持ちとは真反対な賑やかな教室に入る
明るい教室に暗い僕、全然雰囲気が違う
初めて会った頃と同じ席に座って
心配そうにこっちを見るぺいんと君
僕はそのままゆっくりと、あの頃と同じ彼の隣
の席に座る
そして、涙をぐっとこらえて言う
「おはよう」
そう言うと、ますます心配そうな顔になった
ぺいんと君が言う
「だ、大丈夫、?涙が…」
あれ?こらえきれて無かったみたい…
僕は、もう涙の事なんてどうでも良くなって
「大丈夫じゃ…無い…」
と言う
すると、ぺいんと君が
「何があったの?教えて、友達だから」
と笑顔で言ってくれる
この人はこんなに優しいのに
どうしてモテないのかなぁ…
とまた別の事を考えてしまう
いや、実際にはモテているのかもな…
「実はね…」
僕はもう、大切な友達にこの事を黙っておく
ことは出来なかった
僕はそのまま言葉を続ける
「親の仕事の都合で、僕引っ越すんだ…」
そう言いながら、また悲しくなって泣く
だって…初めて出来た友達、やっと出来た友達と別れるなんて…絶対嫌…
「そっか…」
と言いながら、ぺいんと君も悲しい顔
ごめんね…
朝の会の時に先生からクラスメイトにも
伝えられた
「今日いっぱいで、しにがみ君が転校します」
すると、意外なことにクラスメイトは
えー!?と声を上げた
その中からは
「しにがみと話してみたかったなー」
「転校しちゃうのー?」
と言う声が聞こえた
そう言えば、小6に上がってからはずっと ぺいんと君と一緒だったから クラスメイトの目とか気にして無かったな
そんな風に思ってくれてたなんて…
僕は、ますます転校したく無くなった
すると、奥の席から周りより大きな声が
聞こえてきた
「先生!俺、しにがみのお別れ会したい!」
と言う声、他のクラスメイトも
「僕も!」
「私もいいと思います!」
と言う声が沢山、僕は嬉しくなった
クラスメイトたちの提案を聞いた先生は
「それはいいな、じゃあ今日の5、6時間目はお別れ会だな」
「やったー!」
「絶対楽しい思い出残して転校してもらう!」
と言う声が聞こえてきた
隣のぺいんと君がよかったなと言う顔で
こっちを見ていた、 僕は頷く
いつも退屈な授業も少しだけ楽しく感じた
楽しみにしていた5、6時間目がきた
準備するからと言われて廊下で待っていた僕の所にぺいんと君きた
「しにがみ君出来たよ〜目隠しして行こ」
「うん」
僕はわくわくしながら、目隠しで教室へ行く
「よし、もう良いよー!」
と言われた瞬間、僕は目隠しを取る
「わぁ…!」
リボンなどで綺麗に飾り付けられた教室
楽しい雰囲気を表している
このお別れ会のプログラムは
クラスメイトが手紙を1人ずつ読み、
最後に僕にプレゼントがあるらしい
「僕は、しにがみ君に興味がありました、陰に見えるけどじつは陽、みたいな感じがしてました、だから…
26人分の手紙を聞き終え、僕はもう涙だらだらだった
そして、最後のぺいんと君の手紙
「しにがみ君へ 僕はここに転校してきてすぐに君とどこがで会った事がある気がして、話しかけずにはいられなかった しかも話してみると意外に面白い奴で、陰より陽だった」
ほらな、陽だろ!と言う最初の男の子の声
あはは…
「お別れは寂しいけど、違う学校でも楽しんで
俺の事忘れるなよ、お前は俺の一番最初の友達だから 3年間ありがとう ぺいんと」
え!?ぺいんと君も、僕が初めての友達なんだ
今知った…教えてよ、そのくらい
僕は言ったんだからさ
ぺいんと君は、手紙を読み終わってk…
めっちゃ泣いてるんだけど!?
「だ、大丈夫?」
「う、うん…ズビッ」
「悲しくなっちゃって…」
それは僕もだよぺいんと君、お別れなんて…
「っ、うぅっ…」
涙が…止まんないよ…何で、何で
ひとしきりみんなで泣いた
まさかみんなが泣いてくれるとは思わなかった
そして、プレゼントの時間
学級委員が紫色の本をくれた
「これ、しにがみ君にあげる みんなで作ったんだよ」
受け取って、めくってみる
それは、一年から六年までの思い出アルバムだった
懐かしいなぁ…
友達はいなかったけど、毎年なぜか楽しかった
四年から六年はぺいんと君のおかげだろうけど
………
ページをめくればめくるほど
涙が溢れてくる
最後のページまで来たら、そのページは真っ白だった
「そこは、今からみんなで写真を撮って貼るんだ、しにがみ君が良ければ」
と学級委員
僕はもちろん
「うん、撮ろう」
そう言うと、皆は嬉しそうに笑う
「やったー!大事な思い出だから、ちゃんと撮る!」
僕とぺいんと君は、2人でグータッチポーズ
はい、ポーズ! カシャッ
「しにがみ君ーこれでどう?」
1人のクラスメイトに書かれて
写真を見る
その一枚には、僕の思いが沢山詰まってる気がした
「うん、これを貼るよ」
本当にいいものを貰った
そして、いつの間にか下校時刻
皆が教室から僕に挨拶をしながら出ていく中、僕とぺいんと君は先生の前に立っていた
「先生、僕たち2人の写真も取って下さい」
すると先生はその提案を許可してくれた
僕たちは肩を組み、笑顔で写る
その写真を受け取った後、先生に挨拶し
校門へ向かう
「ぺいんと君、今まで本当に…ありがとう」
僕は、今日本当に伝えたかった事を伝える
するとぺいんと君も
「俺も感謝してるよ、ありがとなしにがみ」
何だかその言い方がとても懐かしく感じた
けど今はそんな事どうでも良かった
しばらく泣いてありがとうと何度も言い合い
家へ帰ろうと決まる
これが最後の別れ、ちゃんとしよう
「ぺいんとさん…」
……?「さん」って何だ?