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真夜中、俺はダンボールの中で体をふるえさせながら朝が来るのを待ってた。
そしたらね、
「……僕、ちっさいトラさんやね」
「……ガゥ…」(……なんや…)
若い男の人が目の前に現れた。
「俺ね、サーカス団の団長やってるの。」
「………?」
「…君は人間にもなれる?」
人って、この人みたいな姿のことよね。
「………ヒトの姿、なれるよ。」
「お、凄いね。いい子いい子。」
そう言って頭を撫でてくれた。
この人はいい人なのかもしれない。
「…それで、本題に入るんやけどね」
「……うん」
「俺と一緒に、サーカスやらへん?」
「…サー、カス…?」
「そう、サーカス。来てくれた人を喜ばさせるためのショーだよ。」
「………」
興味はある、色んな人を喜ばせれるならしたい。
だけど間違えたら?失敗したらどうしよう。
「……大丈夫、失敗しても俺は怒らへん。」
「…ほんま、に?」
「ほんま。やけどお偉いさんが来てる時はしてまうけど…」
「……わかった、一緒にやる」
「…!」
「お客さん、笑わせたいねん。こんな俺でもちゃんと出来るんなら、笑顔にさせて帰らせたい。」
「…んふ、君は優しい子やね。」
「そう…?」
「そうやで。よし、じゃあ俺のテントに戻ろか」
「テント、?」
「あ〜…俺はいまテント住まいやねん。」
どうやら団長さんはまだ動物たちが居ないからテントらしい。
「…でも俺がおるからテントやなくなるんやない?」
「んー、それは君がもうちょい大きくなったらやな」
「なんやそれ、笑」
これが淳太との出会い。昔は団長って呼んでたけど、今はもう淳太って呼んどる。
「…しげ、ぼーっとしてるけどどしたん。」
「ん、昔のこと思い出してなぁ〜。淳太若かったなぁーって」
「なんやそれ。笑今でも若いやろ」
「いや、おじじやな」
「なんやと!?」
「いひひっ笑」
あぁ、今日も楽しいわ、!
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