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みほり視点
子供が数人で遊んでいる公園で1人、人を待っていた。
恋人の家に行く。
急に恥ずかしくなってきた…。っていうか、僕女の子が好きなはず…。好きじゃないのに藤原くんと付き合ってて失礼じゃないかな。
「やっほー」
ふと、背後から声をかけられた。藤原くんだ。私服もかっこいい。やはりこの人にはなんでも似合ってしまうのだろう。
「さっきぶり…だね」
「そうだねー!」
ニコニコしている。
「じゃ、行こうかみほりくん」
「うん」
10分くらい歩くと、藤原くんの家に着いた。
とても大きな家である。やば、もう家じゃないやん。
「さ、中に入って?」
「お、おじゃまします」
中に入ると、清潔に整った部屋が広がっていて、藤原くんの兄弟らしき人がいた。兄弟いたんだな。
「僕の部屋は2階だから、着いてきて」
藤原くんの部屋かあ…。多分オシャレなんだろうなあ。私服のセンスあるし、そういうの詳しそうだし。
部屋に入って、「飲み物 いれてくるからまってて」と言われ、1人で待つことになった。
藤原くんが部屋を出て少しした時、部屋に誰かが入ってきた。
「こんにちはー」
3人。藤原くんの…兄弟?
「突然邪魔してごめんなさい。うとの姉のあかねです」
「弟の一輝です」
「兄の天太だ」
「あ、深山…みほりです」
4人兄弟かあ…。なんか藤原くんにお兄さんとお姉さんがいるって言うのが意外だな。弟さんもいるし。
「うとの彼女くんがどんな感じなのか見に来たの!」
「姉さん、まだ彼女とは決まってないです」
「まあ確定だろ。今まであいつが家に呼んだの恋人くらいしかいなかったし」
あれ?なんでこんな早くバレてるんだ?
いや、別に隠してるわけではないんだけど。というか藤原くん彼女いたんだ。まあいるか、モテるし。
「へえー、うとってこういう子がタイプなんだな」
「可愛い子よね!」
「なるほど、本命ですか」
どんどん話が進んで言ってる…。ついていけない。
「あの…」
「あ、ごめんね、怖がらせるつもりはなかったんだけど、つい気になっちゃって」
すると、3人の後ろから声がした。
「姉さん達…」
「「「あ」」」
「みほりに迷惑かけるのはやめてください」
藤原くんが戻ってきていた。
3人はそそくさと下の階に戻って行ってしまった。
「ごめんね、みほりくん、迷惑じゃなかった?」
「だ、大丈夫」
「それなら良かった。飲み物持ってきたよ。麦茶で良かった?」
「大丈夫、ありがとう」
1口飲んで、気を落ち着かせた。
「これからどうするの?」
「うーん、何がしたい、みほりくん?」
「え…と」
どうしよ。何も考えてなかった。だいたいこれから恋人と2人っきりでいるって言うのになんでなんも考えてないんだよ。ずっとモジモジしたままじゃ…嫌われる…
これじゃ…失望されちゃう…、離れてっちゃう…。
なにか、なんか、言わなきゃ。
どうしよ、言葉、出てこない。
「そういえば何も考えてなかったね」
藤原くんがニコッと笑った。
あ。良かった、怒ってない。
「そういえば」
「みほりくん、僕のこと『藤原くん』って呼んでるでしょ?もう僕達付き合ってるしどうせなら名前呼びにしない?うとって呼んで欲しいな」
「う、うと…くん?」
「そ!やっと名前で呼んでもらえた!嬉しいなあ…」
彼の頬が少し色づいている気がした。
うとくんって、他にも彼女いたんだよね。他の人にもこんなふうに名前で呼んでもらって喜んでたのかな…。
「なんか、悲しい…」
「あれ?なんか言った?」
「ううん、何も」
終わってしまった関係に口出しなんてしたらうざがれるかもしれないしもういいか。
しばらくして、僕とうとくんはゲームをプレイしていた。マリ◯である。マ◯パは少人数でも大人数でも一緒に遊べるのでとても便利である。遊ぶ前に1つ条件を付けられた。
それは『勝った方の言うことをなんでも聞く』というもの。
勝ったらなにして貰おうかなー。今のところなんも思いつかないし、勝った時に考えよう。
そして数十分の激闘の末(?)うとくんが勝利した。
(負けちゃったー…何されんのかな…。)
まさか殴らせろなんて言わないよね、と思いながらもそんなわけないかと考え、彼の一言を待った。
「じゃあ…
僕とキスしてほしいな。」
思考をフル回転させて言われている言葉の意味を理解した。あ、これあれだ。この願い事が目当てで僕とゲームしたんだ。やるなあ、うとくん。
いやいや、そんなこと思ってる場合じゃない。キスだぞ?接吻だぞ?僕そんな経験ないよ?大丈夫かな。
「あの…僕、キス…とかそういう経験なくて…」
「じゃあ僕からするよ。ちょっと顔近づけて、うん、そう、怖かったら目、瞑っていいよ」
言われるがままにやってみた。僕は今から初キスをするのである。
チュッ
部屋に響く音。聞いたら恥ずかしさで頭が爆発しそう。
「顔真っ赤っか。かわいいね、みほり♡」
うわああああああ!!
なにこれ。唇が、ふにって…。
顔めっちゃ熱い…。
「そんなふうに見ないでよ…。好きになっちゃうじゃん…」
「じゃあ、 もっと好きにさせてあげる。 」
うう…、顔が綺麗すぎて直視出来ない。もうなんなのこの人…。
「みほり、顔あげてごらん?」
「…?んぅ..?!ぢゅ…んっ、ふぁ、んん”、
あっ♡」
「うあ…」
「顔とろんってなってるよ?そんなに良かったの?」
「だって、こういうこと、はじめて、だし…」
心臓がうるさい、頭ぼやってする、舌入ってくるキスってこんなに気持ちいいの…?
なんかもうなんも考えらんない。
そう思っていると、いつまにか押し倒されていることに気づいた。
あれ、これもしかして…いや、もしかしなくても…
「みほりのそういう顔見てたら我慢できなくてさ…ちょっと早いかもだけど…いいよね」
へあっ、やばい、死ぬ、色んな意味で。
頭をフル回転させて最終的には抱かれるという恐怖から目をぎゅっと瞑った。
すると、
トン、トン、トン
足音が聞こえた。
良かった。多分大丈夫だ。
うとくんは少し表情を曇らせたが、
「ごめん、怖がらせちゃったね」
と、謝ってくれた。
数秒すると、うとくんのお姉さんが
「あんた達のためにお姉さんひとっ走りしてきたよ!」
といい、高級ケーキを頂いてしまった。
「僕、お返しできませんよ!」
「弟の彼女くんなんだから甘えときなさい!」
「姉さん黙ってくださいホントに」
「じゃ、2人で食べてね!」
バタン!
2人の間に数秒の沈黙が流れる。
「ケーキ…1つだけだし、みほりくん食べなよ」
「い、いや…うとくん食べてよ、僕が食べちゃうなんて勿体ないというか…」
「じゃ、半分ずつ食べよ?」
「あ、わかった」
うとくんが皿とフォークを持ってきて、2人で食べることにした。
「はい、みほりくん、あーん?」
「あ、あーん…」
ん、めっちゃおいしい!高級ケーキってこんなに美味しいんだ…
「みほりくん目、キラキラしてる、かわいい」
「なんでかわいい…?」
さっきから思っていたのだが、なぜ彼は僕をかわいい、かわいいと褒めてくれるのだろう。そんなにかわいいだろうか。そんな魅力多分ないぞ。
「思ったこと言ってるだけだから安心して」
まあ、恋人に褒められてるんだし、いっか…。
その後、ケーキを食べ終わった後、もう夕方になっていることに気づき帰りましたとさ。
うと視点
夜。
あー!可愛かったなああ!
「ちょっと怖がらせちゃったかなあ…」
次は気をつけないとね。
それにしても可愛かったなあー。
キスしたいって言った時なんてすっごい驚いてた顔してたし、した後も顔真っ赤にして恥ずかしがってくれてたしもう最高の1日だったなあ…。
唇柔らかいし、舌小さくて可愛いし、首も少し強く触ったら折れちゃうじゃないかってくらい細いし、腰とか凄い触りたかった。なんなら抱きたかった。
「姉さんに邪魔されなきゃなあ…」
でもケーキ半分こした時にあーん出来たのは良かった。小さい口頑張って開けてんの見たら理性飛んでいきそうで危なかった。
なんてかわいいみほりくん。
かわいくて、純粋で、無知で、俺が君のことヤラシイ目で見てるなんて知らずにいっつも隣に居てくれて。
好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き!
だーいすき、みほりくん♡
ずーっと、俺だけを見てて?