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大事な人、大切なもの。
嬉しかったプレゼント。
すべてを置いて、僕は今日ここを
いつも世話をしてくれた委員長、先生の皆。
いつもそばに居てくれた友達(兄弟)も。
一番大切だった兄との写真も。
もう全部、必要ない。
これでは兄と一緒。
分かってる。
分かってるよ!
何かあった?
何も無い。
何も無い…….。
「何かあって、欲しかった…ッッッ!」ポロポロ
なぜ涙が出る?
もう兄じゃない。
名字も変わり、家族も違う。
のだから。
考えるな、期待するな、
もう全部、不必要なのだから。
誰も僕を知る人の居ない、遠くへ、遠くへ行きたい。
今日が最期。
この孤児院で暮らすのは。
まぁ、戻ってこない保証はないし、どうせ戻ってくるだろうけど………….。ww
最期に寝るベットが、いつの間にかどこからか流れてきた涙と、自分の不安で溢れた汗によって、乱れていた。
ーー受け渡し当日ーー
「憂京くん、今日帰ったら、お兄ちゃんが待っているからね。」
あぁ、和紀さん(父さん)か。
「今日は盛大にパーティーよ!」
璃乃香さん(母さん)か。
楽しい人だ…..。デモチョットウルサイ。
ポン
バッ
振り返るとそこに居たのはもう孤児院を出たはずの僕の2才上のお兄ちゃん。
本当の兄ではないし、血も繋がっていないけど、ずっと一緒だったらもう兄弟みたいなもんだ。
「久しぶり!」
「…….久しぶり。」ボソ…..
「ん?」
ゲシッ
「あ、痛い!蹴っただろ今ー!」
変わんないな。この人も。
今日から一緒に住むこの人たちも、本当いい人なんだろうな。
変わっていくのは、僕らを取り巻く環境と僕らだけか…………..。
恥ずかしくなって笑えてくるよ。
「憂京くんは、何歳?」
「ぇ?知らさ、れて無いんです….か?」
「え?あぁ、インクがかすれてて。」
「7が入っているのは分かってるんだけどね。」
「あぁ。 17歳です。コトシデ」
「あ、じゃあ、お兄ちゃんと……..。」
ビクゥッッ
あぁ、今日からの。ね。
大丈夫、大丈夫。
違う、違う、違う…….!
「連とは10才、滉人とは11才差か!」
「へぇ。そうなんですね。」