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「おや、フータ」
夜中、何の気なしに喫煙室の近くにふらりと寄った時、彼の姿が見え
俺はひらりと手を振る
「…あ”ー…おっさん…」
顔を顰めあからさまに嫌そうな顔をする物だから、
分かりやすいな、と笑ってしまう
それが気に入らなかったのか彼は少し怒気を孕んで
「何笑ってやがる」
と悪態を付いた。
「あぁ、気を悪くしないで…えぇと…」
そういえば、と俺は思い出しポケットの中を探す
「あった あった、はい、飴でも要るかい?」
そう言って、ほぼ々原色の赤の様なパッケージを貴方の手に置く
「は、?!オレは子供じゃねぇ!」
なんて怒りながらも、飴は食べてくれて、
素直じゃないなぁ…と、微笑ましく思いながら俺も飴を口に放り込む
「…イチゴ、か.カズイは?」
ちゃんと味わってくれてるんだなぁ、と笑い
「何だろうね…水色…だったから、ソーダとか…?」
「ふぅん…ソーダねぇ…そういや、最近飲んでねぇな」
ふと思ったのか、彼はそう呟いて、確かにそうだな、と俺も思う。
「そうだね、次にでも申請してみるかい?」
「ん、そうする。」
夜中だからか眠そうに相槌を打つ姿に、
危なっかしいな、と思って
「眠いんならそろそろ寝なよ、飴だって噛み砕いてくれたって構わないしさ」
「寝は、する…飴はまだ…良い…もう食べ終わるし、折角貰ったから」
…一瞬、思考が停止する、眠いから?それとも別の何かだろうか、分からないが
いつものフータはこんな事言わない物だから驚きを隠せずに、
「え、」
と声を出してしまう。
すると、もう食べ終わったのか
「…何してんだ、寝ろって言ったのはそっちだろ、帰るぞ」
「え…あぁ、うん…そうだね、帰ろうか」
もう忘れているのだろうか、眠そうだったし、
無意識だった、と言われても不思議では無い。
無いが…フータのそんな姿が見れるなんてな、
と、少し良い気持ちになり、彼と二人、帰路を辿るのだった_