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悠真と別れてから、一週間が経った。
最初の数日は、何をしていても胸が苦しかった。授業中もぼんやりして、スマホを手に取るたびに**「あ、もう連絡する理由がないんだ」**と気づく。
夜、ふとした瞬間に、悠真との通話履歴を見返してしまう。
「好きだけど、これが正しいのか」
彼がそう言ったときの声が、まだ耳に残っていた。
**「華恋、そろそろ元気出しなって!」**
玲奈が私の肩をぽんぽんと叩く。
「いや、別に落ち込んでないし。」
「嘘つけー。華恋って、強がるときめっちゃ分かりやすいんだよ?」
「……そう?」
「うん、特に幼なじみにはな!」
玲奈がわざと明るく言うから、私は苦笑した。
「大丈夫、ちゃんと前向くから。」
玲奈は私をじっと見つめてから、ニッと笑った。
「いいね、その意気! じゃあ新しい恋でも探す?」
「それはまだいいかな……。」
私の中で、悠真への気持ちが完全に消えたわけじゃない。
でも、泣いてばかりじゃいられない。
ーー
高校生活は、想像以上に忙しかった。
勉強に部活、新しい友達との時間——気づけば、悠真のことを考える時間は少しずつ減っていった。
新しくできた友達、**橘ひまり**とはすぐに仲良くなった。
「華恋ってすごいよね、なんでもできるし、みんなに優しいし。」
「そんなことないよ。」
「でも……なんか時々、寂しそうな顔するよね。」
「え?」
私は驚いた。自分では普通に過ごしていたつもりなのに。
「なんでもない!」
ひまりは笑ったけど、その言葉はずっと心に残った。
ーー
**別れてから、一ヶ月。**
ようやく、悠真のいない日常に慣れてきた頃。
**《悠真》「久しぶり。元気?」**
そのメッセージが届いたのは、夜の10時過ぎだった。
私はスマホを見つめたまま、しばらく指を動かせなかった。
ーー続く。