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3 - 第3話 大爆発

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2025年03月17日

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「ひ、ひぃぃぃ!! もう嫌だぁぁぁ!!!」


主は船の甲板を逃げ回っていた。


さっきのぬいぐるみ爆発事件のせいで、なぜか船の乗員たちから「謎の強キャラ」として扱われ始めたのだ。


「おい、あの少女、ヤバいぞ……」


「や、ヤバいなんてもんじゃない! 一瞬で敵を爆殺した……!」


「しかも、泣きながら……!」


「泣きながら敵を一掃する戦士」 という謎の称号が生まれ、船内は騒然となっていた。

誤解の連鎖、止まらず


そこへ現れたのは、実力者の一人、「鉄壁のバルド」だった。


「お前が噂の少女か……」


バルドは全身鎧に身を包み、片手に巨大な戦斧を持つ屈強な男だった。彼は主をじっと見つめ、言った。


「気に入った。お前を俺の部下にしてやる。」


「えっ??」


「お前ほどの強者なら、この戦いでも重要な役割を果たせるだろう。」


「えっ?????」


「これから俺の指示に従え。」


「えええええええええええ!!!!??」


主の頭の中は混乱しかなかった。


なぜだ。


ただの巻き込まれ乗客だったのに、


なぜか大物にスカウトされている。

再び試される絵筆の力


そんな主の戸惑いをよそに、バルドは言った。


「お前の”あの力”を見せてもらおう。」


「えっ、ちょ、ちょっと待って、僕、そんな力ないし……」


「謙遜するな。俺は見たぞ。お前が一瞬で巨大な爆発を生み出したのをな。」


(違う違う違う違う!! あれは偶然!! ぬいぐるみがたまたま爆発しただけ!!)


そんなことを言える雰囲気ではない。周りにはすでに船の乗員たちが集まり、主の実力を見ようとワクワクしている。


(うう……しょうがない……適当に何か描いて、やり過ごそう……)


主は仕方なく、絵筆を取り出し、適当に”防御壁”を描いた。


すると――


ボフッ!!


煙が上がり、そこに現れたのは……


「ト、トースト……!?」


主が描いたはずの防御壁は、なぜか山盛りの焼きたてトーストになってしまった。


「……」


「……」


「……うおおおおおおおおおおおお!!!!」


「な、なんだ!? あの少女、食糧を無から生み出せるのか!?」


「食糧問題が解決する……!!」


「救世主だ!!!」


(ちがぁぁぁぁぁぁう!!!!!)


主は全力でツッコミたかったが、もはや止められなかった。完全に「船のカリスマ」になってしまったのだった……。

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