「おい、主さんが来たぞ!!」
「よっ、船の救世主!!」
「今日のメニューはなんですか!?」
甲板の片隅に作られた「食糧班」── そこには、なぜか主を中心に、アトラス号の屈強な兵士たちが並んでいた。
(……おかしい……)
主は頭を抱えた。
最初はただの乗客だった。
それがなぜか「最強の戦士」と勘違いされ、
さらには「食糧を無限に生み出せる存在」と崇められ、
今では「食糧班のリーダー」になっている。
(戦場で活躍するどころか、なぜか、炊事担当になってる……)
困惑しながらも、主は仕方なく絵筆を取り出した。
「えっと、じゃあ今日は……カレーを……」
そう言って、地面にカレーライスの絵を描く。
ボフッ!!
すると、湯気の立つカレーが現れた。
「おおおおおおお!!!!」
「やっぱりすげぇ!!」
「これが”奇跡の飯”か……!!」
屈強な兵士たちが涙を流しながらカレーを頬張る。
(いや、普通のカレーなんだけど……)
主はますます自分の立ち位置が分からなくなってきた。
戦場なのに平和すぎる
そんな食糧班の平和なひとときを破るように、一人の兵士が血相を変えて駆け込んできた。
「大変だ!! 突入してきた!!」
「なにっ!?」
「くそっ、戦いか……!」
兵士たちは武器を手にし、慌ただしく動き出す。
だが、そこで食糧班の一人が言った。
「……いや、俺たちには主さんがいる。」
「そうだ! 主さんの”奇跡の力”があれば、戦いも楽勝だ!!」
全員の視線が主に集まる。
「えっ!? 僕!? 無理無理無理無理!!!!!」
「さぁ主さん、敵を蹴散らしてください!!」
「いやいやいやいや!!!!!」
だが、主の拒絶の声は届かなかった。兵士たちに肩を抱えられ、戦場へと連れていかれる主。
(もう嫌だあああああああ!!!!)
泣き叫びながらも、戦場へと放り込まれるのだった……。
コメント
1件
スゥゥゥァァァァァァァ( ˘ω˘)! 私のキャラあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"