「僕は戦乙女に恋をした。」 序章 「戦乙女」
昔、とある神話の本で読んだことがあった。戦場で死んだ者の運命を定める神の使い
それを戦乙女、ワルキューレと呼ぶらしい。
まるで、マクロファージの様だと僕は思った。
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Ⅰ章 「枷」
今、目の前で偽りの笑顔を浮かべ、冷ややかなナタを振り下ろしている細胞。ーー マクロファージだ。
その偽りの笑顔は、単球系としてはたらく為に、この体内の都合の良いようにプログラムされたものだ。
他の細胞を操る立場として、喜怒哀楽を表に出してはならない。僕達単球系はその「枷」が生まれつき付いていた。
…まったく。面白いよね
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Ⅱ章 「僕は戦乙女に恋をした。」
僕は気がつくと、そのマクロファージを目で追っていたり、お茶しないかと誘ったり…何故だろう? 同じ「枷」が付いているからだろうか? 同情? 仲間意識? いや、この感情はそういう物ではない。
この感情に振り回されている人を、僕は何百回、何千回と見た。
だから、この感情を僕は熟知している、ハズなのにッ…?
っ…。恐かったんだ。戦乙女に恋をするのが…
下手にこの思いを彼女へと綴ると、今の様な「友達」としては居られないだろう。 そして、彼女を深く傷つけることに成りかねない。
だから僕は今、この「枷」が付いていて、 本当に良かった。
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「僕は戦乙女に恋をした。」end.
コメント
2件
うおお…神作になりそうな予感ッ!!!