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__私は今、処刑台にいる
賢者がもう必要無くなったから
今年の厄災戦で《大いなる厄災》を完全に押し返したからだ
オーエンに初めて会った時に言われた言葉を思い出した
『賢者の君以外に興味が無い』
本当にその通りになった。
中央の国の人々が私を見ている。
その中にはもちろん賢者の…いや、”元”賢者の魔法使い達も居た。
魔法使いの皆は、皆様々な表情を浮かべていた、
今にも泣きそうな顔の者、泣いている者、目を見開いている者、今にも魔法を使ってこの処刑を止めようとする者、必死に兵隊に呼びかけている者。
それでも、全員酷くこちらを心配そうに泣きそうに見ていた。
私は幸せ者だな、と改めて実感した。
今にも、泣きそうなことは、私も同じことだった。今すぐ皆の元に走っていきたかった。もっと皆とこの世界を見たかった。もっと魔法を教えて欲しかった。もっと仲良くなりたかった。もっと一緒にご飯を食べたかった。
それももう叶うことは無い。
だから、最後に
私は力いっぱい魔法使いの皆に微笑みながら言った。
「私の自慢の魔法使いであり、友人でした!!」
最後、これだけは伝えたかったのだ。私の魔法使い達に。
それを言い残し、私はもう絶対に起きることは出来ない、眠りについたのだった。
【オズ目線】
賢者が処刑されると朝、魔法舎に手紙が届いた。
急いでアーサーは、城へ戻って行ったが直ぐに帰ってきた。
「賢者様が処刑台にいたぞ!!」
そうアーサーが言った。
皆、急いでグランヴィル城に向かった。
本当に賢者な処刑台にいて、
「賢者様!!」「なんで賢者様が処刑されなければならないのですか!?」「あいつら、全員切ってやる」「やめろ!シノ!」「なんで賢者様あそこにいるんです?」と色々な反応があった。
賢者がこちらを見た。その時、
「私の自慢の魔法使いであり、友人でした!!」
その瞬間、賢者の首が切り落とされた。
魔法舎に帰ったら、いつもの生活になると思っていた。
けれど、静かで何かが足りない。
「な、なんで賢者様が…うわぁ”ぁ”ぁ”泣」
「…泣」
若い魔法使いは、全員泣いていた。
100歳を超えている魔法使い達も泣いてはいないが、とても悲しい顔をしている。…私も今、そんな顔をしているような気がする。いつもなら、直ぐに忘れていた賢者も何故か覚えている。
「真木晶…」
と一つのなんでもない、なんにも力を持っていない。人間の名前を呼ぶのだった。