じょ〜のとよ〜じょ！

条野side

“じょ〜の、じょ〜の”と言いながら私の後を追いかけてくる幼子の海野　水母（うみの　くらげ）はある街で捨てられていて、なぜか懐かれたのだ

『……はぁ』

トテトテと効果音でも付きそうなくらいの速度で歩いている。

少し経つと水母は「あぅ」と言い、転けて泣いてしまう

『あぁ、もう！』

私は水母の方へ歩き、水母を抱き上げる

水母「う…？」

先程まで泣いていたのに…なぜ私が抱き上げただけで泣き止むのか

『はぁ…こっちの方が一々止まってあなたを待たないで済むので仕方なくしただけです

後、絶対に私の耳元で大声などを出さないでくださいね！』

水母「う！」

本部へ着いて早速、鐵腸さんに出会った

鐵腸「む…？条野、子供が出来たのかおめでとう」

『なぜそうなるんですか！そもそも私は結婚なんてしてません！』

鐵腸「ならば妹か…？」

なぜこの人はこんな発想をするのか…嗚呼本当にうざい！

『拾ったんですよ！』

水母「くあえのなまえはういのくあえ！」

呂律が回らない舌で水母は鐵腸さんに名前を言う

鐵腸「ういのくあえ？不思議な名前だな」

『海野水母ですよ…はぁ』

今日何回目か分からない溜息を吐く

鐵腸「む、そうかよろしく頼む海野、オレの名前は末広鐵腸（すえひろてっちょう）だ」

水母「ん！よろしく！すえひおてっちょ！」

鐵腸「嗚呼、よろしく」

と言い鐵腸さんは水母に握手をしようとするが手がどこにあるか分からないようだ

鐵腸「手はどこにあるんだ…？」

水母「んとね…おかぁしゃがどっかにうったっていった！」

『！！……あぁ』

だからか、転んだ時手で受け身を取らなかったのと

さっきから腕が当たらなかったのは

鐵腸「それは済まない事を聞いた、無礼を詫びよう」

水母「……？ぶれ〜？」

『聞いてはいけない事を聞いたから謝ると言ってるんです』

はぁ、子供相手に何を言ってるですか

水母「てっちょ、ぶれ〜わびなくてい〜よ！くあえきにしてないから！」

子供に気を使わせる大人……

鐵腸「ありがとう、海野は優しいな」

と言い鐵腸さんは水母の頭を乱雑に撫でる

『犬みたいに撫でないで下さい！幼子は脆いんですから！』

と私は水母を抱いていない方の手で剣を取り鐵腸さんへと向ける

鐵腸「…すまない」

水母「じょ〜の！おともだちにきけんなものむけちゃだめだよ！」

………なぜ私が責められるんですか。