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⚠︎prologueの注意書きを読み、理解した上でお楽しみ下さい
⚠︎shkが潜入した時のsm視点から始まります
⚠︎今更ですが、krsm、brkn、nkshk要素が含まれます(prologueに追加しておきます)
第二話が♡500を超えていて、狂喜乱舞しました。ありがとうございます
まだまだ続きますので、最後までお付き合いくださると幸いです
「射抜いたものは」 第三話
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sm視点
凝り固まった体を伸ばし、ハッキングで奪った情報を整理する。
ここ最近、何事もなく、平穏な日々が続いていた。
─────だから、油断していた。
…ストッ。何かが着地したような音が背後から聞こえる。
素早く後ろを向くと、そこには短剣を構えた見知らぬ男がいた。
ボサボサの黒髪に、緑のラインが入ったライダースジャケット、赤いヘッドフォン、濃いクマ。
そして、こちらを射抜く、深緑に濁った眼。
──────奇襲か…!
そう判断し、俺はインカムに手を当てる。
その直後、
shk「させるかよッ…!」
そいつが、短剣を放った。
sm「っぐ、ぁ!?」
刹那、肩に鋭い痛みが走り、俺は顔を歪める。
膝から崩れ落ち、必死に傷口を抑える。
─────トドメを指される。
そう思って、固く目を瞑る。
しかし、俺の耳朶を打ったのは、あいつが去っていく音だった。
sm「…は」
緊張が解け、俺は止めていた息を吐く。
戸惑いながらも、俺は止血を進める。
なぜトドメを指さなかったんだ…?
いや、それ以上に不思議なことがある。
─────あいつが放った短刀は、俺の肩に刺さった。
心臓よりも少し斜めに逸れた場所だが、わざと狙ったのだろうか。
いや、それは無い。あいつはかなりの殺意を俺に向けていた。
とすると、どこかの国の暗殺者であろうあいつは、あの距離で狙いを外した事になる。
俺は、あいつが短剣を放つ前の様子を思い出す。
────あいつ、手が震えていた…?
あいつの短剣を持つ手は、小刻みに震えていた記憶がある。
あの暗殺者は、人を殺すのを躊躇ったのか?
考えているうちに、止血が終わった。
少し貧血で頭が朦朧とするが、俺はすぐにインカムに触れる。
sm「全員聞け。…緊急事態だ」
br『緊急事態?』
sm「暗殺者の奇襲だ。最初に俺を狙ったという事は、普段は戦闘をしない…司令塔から潰している」
kn『奇襲!?smは無事なのか?』
sm「よく分からんが、心臓じゃなくて肩に短剣を刺された。もう止血は終わってる」
sm「次に狙われるのは、おそらくnkだ。…どうする?」
nk『なるほどね…』
nkが思案するように唸る。
nk『…俺が迎え撃つ。拘束したら呼ぶから、krはsmと合流して、応急処置してあげて。knとbrは総統室近くで待機してて』
br『…1人で大丈夫?』
nk『もちろん。任せてよ』
sm「…頼んだぞ」
kr『sm、今から情報室行くから待ってろ。そいつに生きてるのがバレたらまずいから、出歩くなよ』
sm「分かった」
電子音が鳴って、通信が終了する。
俺は大人しく、krが来るのを待った。
少し経って、
kr「sm…!」
息を切らして、krが中に入ってきた。
krに近づこうとして立ち上がると、貧血で俺の体がよろめく。
kr「おい…っ!」
彼の逞しい腕に抱き止められ、そのまま絨毯の上に寝かせられる。
kr「お前、全然大丈夫じゃねえじゃん…」
そうため息を吐いて、俺が肩に巻いた布を、スルスルと外していく。
kr「ん、血は止まりそうかな。布替えるから、上だけ脱いでこっち来て」
言われた通りに上を脱ぎ、彼に身を寄せる。
彼は手際よく止血用の布を巻き、先程脱いだ服を着せた。その服の上からも布を巻かれ、縛られる。
sm「動かしにくいな、これ」
kr「文句言うな」
軽口を叩き合っていると、インカムに音が走った。
nk『一回みんな総統室に集合。krは、筋弛緩剤持ってきて』
nkから招集がかかった。
よほど相手が暴れているのか、服が激しく擦れる音が聞こえる。
kr「…だってさ。総統室まで歩けそう?」
sm「ああ、大丈夫だ」
少しふらつきながらも、彼の手を借りて立ち上がる。
kr「…筋弛緩剤かぁ、nk、拘束してすぐに尋問するつもりかな」
sm「睡眠薬だったら、起きるまで時間かかるしな。すぐに情報を吐かせて、援軍を抑えるのが妥当だろう」
kr「…途中で医務室寄らないとだし、ちょっと急ぐか」
sm「ああ」
急ぐか、と言いつつも、彼の歩幅は俺の歩幅に合わせられている。
頼れる彼の隣に並び、俺は総統室へと向かった。
to be continued…