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あ、みんなおはよう!
あれ。みんな私の事気づいてないのかな……
クラスのみんなは私の事なんて一ミリも見ていないのに、何故か、視線を感じた。
あれ、私の席は?
今までのことが全て嘘だったみたいに、教室の空気は明らかに変わっていた。
みんな楽しく賑わって話してるのに、何故か独特な恐怖が胸から湧いてきた。
なんだか、気持ちが悪い。
ダメダメ!こういう時こそ冷静にならないと、!
ああ、なんだ、みんな自分たちの世界に入ってて私がいることに気づかないのね笑
ここで大声なんかだせば、クラス中の人が私に注目し始めるかな?
深く息を吸って…
……やっぱみんな気づかないのね。
ドッキリなのか知らないけど、馬鹿馬鹿しいや。
「あれ、おはよう!」
「うわっびっくりした!」
後ろから幼なじみの紗希に話しかけられたみたい。
「どうも変ね、教室の様子が。」
「新手のクリスマスドッキリかしら?」
辺りを見渡しながら、手を口元にもってきて、クスクスと笑っていた。
「あら、知らないの?あなた、昨日、」
はぁ??…ドッキリだとしても面白くないわね。
気分が悪くなるわ。
「本当のことを私は言っているのよ?あなたは昨日わたるステップをしていたところ、パブロ・ディエゴ・ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ホァン・ネポムセーノ・マリア・デ・ロス・レメディオス・チプリアーノ・デ・ラ・サンティシマ・トリニダード・ルイス・イ・ピカソという物に誘拐されて、そのまましんじゃったんじゃない。」
え、本当に私、しんじゃったの?
けどそんな記憶ない。
でももし、本当にしんじゃったとしたら…なぜ成仏されずここにいるのだろう?
まだご遺体は見つかっていないのかな。
『あれ、お前まだ成仏されてねーの?』
クラス中の人が私をからかった。
なんだか視界がぼんやり見えた気がする。
「ちなみに、あなたのご遺体はもう見つかっているわ。案内してあげる。」
嘘…なんで自分の遺体を見なくちゃいけないのさ。
なんて、シニカルな性格なの。
考えただけで、虫唾が走る。
「あれ、おかしい、あなたのご遺体がないわ。」
ない…?そんなことありえるの?そもそも場所は本当にここであってるの?何がしたいのか…
「そこらへんにいるネズミが食い散らかしちゃったのかしら?それか、もう回収されてしまったか……」
ていうかそもそも、私はどうして自分の遺体を眺めることになってるの?
ネズミが食い散らかした、回収されたのならなぜ私は成仏されないの?
やっぱり、本当はしんでなんかいないんじゃないのかな。
「ねぇ、私って本当にしんじゃったわけ?」
そりゃあね。そんな嘘つくわけないんだからさ。それか、1回ナイフで自分のこと刺してみたらどうよ。ナイフがすり抜けてビクともしないと思うけどね。
なんて軽い気持ちで言ってるんだ…
まあ、みんながそこまで言うなら、本当にしんじゃったのね。
一応ナイフを貸してちょうだい。
大丈夫。大丈夫。私はもうしんじゃってるんだから。ナイフなんて刺してもびくともしないよ。
自分の心の中で、そう呟きながら、自分の胸にナイフを刺し出した。
この日、私は自ら心臓を投げた。