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トウマ
この世界には多くの人間がいる。
その中で特別な人間はどれだけいるのだろうか。
皆平等に命の終わりを知り、それが当たり前かのように生きている。
なんて考えながら過ごす毎日。
アニメや漫画の見過ぎで何か特別なことが
起きるんじゃないかと信じ続けている。
だが何も起きるわけはなく毎日は過ぎる。
毎日通る道、毎日乗る電車、毎日見る校舎。
全ていつも通り。
ただ一つ、毎日変わることがある。
寿命だ。
寿命の見え方は人によって違う。
大雑把な人は年までしか見えないが、
細かい人は秒数までわかるらしい。
僕が見えているのは日数までだ。
だが、焦るには十分すぎる単位だ。
日々暮らしていく中で、過ぎていくのは時間。
時間って昔はどういう捉え方だったのかな。
現代の僕には想像もつかないが、
少なくとも今は命だ。
ある時間が来るたびに減っていく。
右手首の内側に数字が浮かんでいる。
この数字はもちろん自分しか見えない。
ただ刻々と減っていく。
焦りはするが特に変わったことはない。
変えようともしていないのだから当たり前だ。
僕の数字は56:108と書いてある。
56年と108日ということだ。
すごく長く感じる。
余裕を感じてしまう人は多いのかもしれないが
減っている当人からすると焦るものだ。
今は22歳。大学4回生になるところ。
元は78年と108日あったことになる。
そう思うとだいぶ減った感じがする。
まぁ78歳まで生きれば大したものだろう。
そう思って焦りながらも悠々自適な
大学生生活を楽しんでいた。