“俺、小エビちゃんが好き__ “
呼び出され嫌な予感がしていたが
まさか告白を受けるとは思っていなかった。
“_え、…それまじですか … “
ナイトレイブンカレッジの2年生で
オクタヴィネル寮所属、モストロラウンジで幹部をしている フロイド・リーチ先輩 。
彼は身長が約191cmもあり、稀に見せる笑顔が恐ろしい。
そんな彼に俺は今 告白を受けた。
” ま、まじで言ってます、? “
こくん、と顔を赤らめ頷く先輩。
( ま、まじか ~~ !! )
” こ、小エビちゃんが 嫌だって 言うなら、 別に 俺はいーよ、 “
ぎゅ、と自身の袖を握り 早く答えが欲しい という表情を 俺に見せた。
” 先輩 、 少し考えさせて 貰えませんか “
” そーですね、 4限が終わるまで… “
” うん 、 いーよ 。 待ってあげる “
“ … いい返事 。 期待しとくね ぇ ~ “
いつもの笑みを見せて ひらっ と 手を振って
その場を去る先輩。
_ さァ 、 どーしたものか 。
俺は 教室に 戻り 机に顔を埋め 1人考える。
まだ2限目、 時間はある。
_ 何故 そこまでして 悩むのか … 。
そう ! 俺はフロイド先輩ではなく
アズール先輩が 好きなのでした 。
あの件以降、アズール先輩はかなり 俺に優しく接して下さるようになり 気ずけば 好きになっていたのだ 。
実に … 実に 悩ましい 。
” あ ~~ … ! どーしたら いーんだよ、くそ!!! “
“ bad boy !! 、 授業中だ 静かにしろ “
“ あ ~ 、 … すんません “
クルーウェル先生に デカイ声で 叱られて ハッとした 。 残り 2限しかないことに 。
“ なー、 監督生 ~ 。 お前 クルーウェル先生に 叱られるとか 珍しーじゃん 。 急にでっかい声 出して どーしたんだよ “
こそ、っと エースが話しかけてきた。
” 実はさ、 俺 フロイド先輩に 告られてよ 。 “
” … … … 、、 “
“ エース ?? “
“ … ま、、ま、 まじかよ !?!?!? “
” しつこいぞ !! 仔犬共 ! “
” エースが でっかい声 出したせいで くそ 怒られたじゃん “
” いや、 だって お前が タチの悪い 冗談言うから “
” あれが 冗談なワケ ねーじゃん !! 、 俺まじ困ってんだよ ?! “
“ … じゃあ 断りゃ いーじゃん、 ! 俺はアズール先輩が 好きなので 先輩とは 付き合えませーんって !! “
” それが 出来たら どれだけ楽か … “
期待しとくね ぇ ~ と 言われてしまった俺。
やんわりと 断る仕方が 分からない。
そんなことを 考えていても 時間が刻刻と迫る 。 気ずけば 4限 …
の 終わりかけ 。
なんにも 決められず 断り方すら 分からないまま終わろうとしている 。
… 絞められる覚悟して 断るか 。
俺は ぶつぶつ 独り言を話しながら ようやく
決めたのだった 。
ベルが 校舎に鳴り響き 机に顔を埋めたまま
憂鬱とした目で時計を見つめる 。
“ 小 ・ エ ・ ビ ・ ち ・ ゃ ・ ん ・ ♡ “
いまは聞きたくない 声が聞こえた気がした。
じ、声のした方を 見ると 幻聴ではなく
フロイド先輩が その場にいた 。
” あ、 先輩 “
” ね、 決めた ? 返事ちょーだいよ “
にこにこ、と笑顔 。
告ってきた顔とは違って 嬉しそう 。
期待 100 … と 言ったところか 。 (
“ … あの、いっぱい … 考えました “
” わ、 俺のこと いーっぱい 考えてくれたの? うれしーな 。 “
” で? 返事 。 返事は ?? “
圧、 圧を感じる 。
断りづらい 。
” … すみません、 俺。 … “
” うん 、 うん “
“ …… 先輩が 俺を好きって 思ってくれて 嬉しかったです … “
” 、 うれしーって 思ってくれてんの … じゃ__ “
“ でも 俺は、 アズール先輩が好きだ 。 “
“ は、 “
“ だから、 … その、 すみません。 断り、 ます “
目を見開き 固まる先輩 。
がた、と急に立ち上がれば 俺の胸ぐらを軽く掴んだ 。
” なんで、 なんで アズールなの 。 ジェイドとか 言うなら 何となくわかる … ケド、 なんで?、 なんで 。 “
“ … アズール先輩は、 頑張り屋で… 努力家です、 そんなとこが素敵で 優しくて … なので、 フロイド先輩とは お付き合い できません “
” … じゃあ、 アズールみたいになったら 小エビちゃんは 俺を好きになってくれる? 選んでくれる ? “
” … なれません、 多分 。 アズール先輩だから 、 好きなんだと思うから 。
こんなに 取り乱す 先輩、 見たことがない。
“ そっか ぁ 。 残念 、 “
俺の 首あたりから 手を離して 去ってしまった 。
ごめんなさい。 先輩 、
貴方は 飽き性だし 気分屋だから 。
嘘をつきました 。
俺、 あなたが 。
フロイド先輩が 好きなんですよ。
アズール先輩じゃなくて 貴方が 。