――20XX年、日本。某県立高校。
職員室に響き渡る怒声。
「お前ってヤツは!! また喧嘩か!!」
南田教師が机を叩く音がバンッと響く。だが、叱られている吉田は全く動じない。
「あー……だから言ってるじゃねーっすか。向こうがケンカ売ってきたって。」
「そんな言い訳が通用するか!! 退学処分でもおかしくないんだぞ!!」
その時、のんびりとした声が割り込んだ。
「まぁまぁ、落ち着けよ南田先生。吉田だって、手加減してるだろ?」
声の主は、1人の男子生徒。
花咲大樹――吉田の数少ない友人の1人であり、後の花咲萌の父親だった。
「花咲、お前も問題児だろうが!!」 南田は顔を真っ赤にして怒鳴る。
「俺はケンカなんかしてないっての。俺は平和主義者だよ。」
大樹は肩をすくめ、にっこりと笑う。
だが、その横で吉田は鼻で笑った。
「平和主義者? は? この前の体育祭、3年の連中ぶっ飛ばしてただろ?」
「あれは正当防衛!」 大樹は即答。
「正当防衛でドロップキックはねーだろ。」
2人のやり取りに南田は頭を抱えた。
「はぁぁぁ……もういい!! お前たちは揃って休学だ!!」
――こうして、吉田と花咲大樹は揃って「問題児コンビ」として休学処分を食らった。
休学中。ファミレス。
「なぁ、吉田。お前ってさ、将来何になるつもり?」
吉田はストローをくわえながら考える。
「さぁな。とりあえず世界最強?」
「……マジで言ってる?」
「マジだよ。」
大樹はくつくつと笑った。
「そっか。まぁお前ならなれるかもな。俺は……うーん、家族守れる男になりたいな。」
「はぁ? お前に家族とか似合わねぇだろ。」
「ひっでぇ! まぁ今はまだだけどさ、いつか、娘が欲しいんだよね。俺に似て、ちょっと元気すぎるくらいの……。」
「そんなん、お前のガキとかロクなもんじゃねーぞ。」 吉田は爆笑する。
「ひどっ!」 大樹も笑いながら、空を見上げた。
「でもさ、もし俺が死んだら――その子、守ってくれよな。」
吉田はしばし沈黙した。
「……フラグ立ててんじゃねーよ、バカ。」
「はは、そうだな。」
――やがて、その願いが現実になることを、吉田はまだ知らなかった。
コメント
1件
今回も神ってましたぁぁぁ!!!! 何だこの問題児コンビ可愛すぎな??(は? ちょうちで飼ってもいいですか?(( なるほろ、、よっしーは子供の頃からめっさ強かったんだね、、流石やの、、() 次回もめっっっっさ楽しみいいいいぃ!!!!!!!!