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本当にたまにしか抱き合うことはしなかったし、甘えるのは好きだけどつけ込まれるのは嫌いな僕は、自分が甘えたい時だけ甘えてた。好きな気持ちはあっても、今本当にしなければいけないことと、それ以外のなにかを同じ熱量で並走させられるほど僕は軽くない。
望まれて受け入れ、入ってみればまだ夢は遠く、先の見えない世界で同じように存在していたウンソクに、ただ息継ぎの仕方を教えてもらっただけ。花開くまで、開いてもなお人の気を引くことが必至の世界で、同じ利害関係にある相手となら無難にやり過ごすことができる。
ウンソクに惹かれた気持ちに打算はなくても、自分の中で折り合いをつけるために、僕は偏った考えにあえて染まっていった。
メンバーと過ごす時間が増え、夢が現実に届きそうになる頃には、あまりの忙しさに二人の時間もなくなっていった。僕が他のメンバーとも個別に仲良くできるようになった頃、気づけばウンソクはもっとずっと前からみんなとうまく付き合えていることがわかった。
置いていかれたような気持ちと単純な嫉妬。あの腕も、あの声も僕以外の誰かが知っているかもしれない。そんな些細な、くだらない妄想。
別れたわけじゃない、多分付き合ってもいなかった。何度か寝ただけだ。
僕にとっては初めてでも。