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相変わらず書くのがうまい…🫣🫣 続き楽しみにしてるね🫶🏻︎💕︎
周りから向けられる目線が嫌だった。
みんな「お母さんがいないから」って理由だけで、私を可哀想な子と言う。
私は父さんと二人でも幸せだし、可哀想なんかじゃない。
でも、母さんがいないことに寂しいと感じる時はある。
小さい頃は、ママが良いって泣きわめいて父さんを困らせちゃったっけ。
父さんは母さんの話をしたがらない。
だから私は母さんのことをなんにも知らない。
知ってるのは病気で死んじゃったってことだけ。
顔も名前も、どんな人かも分からない。
自分の母親なのに。
母さんならどうしただろう。
もし、私と同じ立場に立ったら何をするだろう。
高校生という青春真っ只中の時期に余命宣告を受け、
入院退院を繰り返して、学校にも行けず、友達もできず、周りから哀れむような目で見られる。
私の今の状況を見て、母さんは私になんて声をかけてくれるだろう。
もう嫌だ。死んでしまいたい。
あの自分より下のものを見るような、どこか軽蔑しているような目線が怖い。
せっかくの夏休みなのに。
まだ終われない。
終わりたくない。
やりたいこと、会いたい人、知りたいこと、たくさんあるのに。
その日私は、人生初の家出をした。
でも別にどこか遠くに行こうとかそんなんじゃなくて、
死ぬまでにやりたいことを、やろうと思っただけ。
父さんには心配かけるし、病状悪化するかもしれないけど、それでもいい。
私が望むままに、行きたい場所を目指す。
これは、私たちの たった1日の逃避行 の物語である。