テラーノベルの小説コンテスト第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

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カンヒュノベルまとめ

第1話 - カナアメ🇨🇦🇺🇸曲パロ死ネタ

101

2025年02月05日

#カントリーヒューマンズ

#インイギ

#カナアメ

INTERNET辞められないw

心中カナアメ

いよわさんの『エンゼルケア』モチーフ

なんでもあり、とても長い

[設定]

カナダ🇨🇦

一人称僕二人称名前(+さん)

〈アメリカ→アメ,イギリス→(お)父さん〉

🇬🇧と🇺🇸とで一緒に暮らしている。

🇺🇸の不調に気づいている。

🇺🇸のことが大好き

アメリカ🇺🇸

一人称俺二人称名前/お前

〈カナダ→カナ,イギリス→親父〉

自由を追い求めた結果自由に縛られてしまった。

🇨🇦はベストブラザー,頼れる存在だと思っている。

(この🇺🇸はpixivで活動されてされているぬぬすっす様のところの🇺🇸さんを参考にさせて頂いてます🙇💦)

イギリス🇬🇧

一人称私二人称貴方/名前

〈カナダ→カナ,アメリカ→アメ〉

🇺🇸と🇨🇦の親。2人とも大事な存在だと思っている。最近🇺🇸の顔色が悪いことが心配。

その他多数の国達が出てきます🙇🏻‍♀️💦

–-✄–––ｷﾘﾄﾘｾﾝ–––✄—

<カナダ視点>

🇺🇸「カナダ。」

🇨🇦「どうしたの?兄さん。」

🇺🇸「一緒に心中して。」

🇨🇦「あー…いいけど、何があったの?」

🇺🇸「…俺さ、今まで自由になるために親父の植民地から独立したり、自由になるために孤立主義を貫いてきたけどさ、もう疲れちゃった。」

🇺🇸「俺ずっと思うんだ、自由ってなんなんだって。自由になろうとしてきた行動がいつも俺を縛るんだ。俺は世界のヒーローでなくちゃいけない、みんなの前で笑わないといけない、頼れるリーダー的存在じゃないといけないって。もう疲れたんだ。」

兄さんはそう言ってポスッと頭を僕の胸に埋めた

🇨🇦「そっかそっか、しんどかったね。よしよし。」

そう言ってアメの頭を撫でる

🇺🇸「えへへ…ｸﾞｽｯ…」

安心したのだろうか、喜んだ様子だが目に涙がうかんでいる

🇨🇦「それで、心中したいんだよね。僕は全然いいけど、父さんはどうするんだい?父さん、僕らがいなくなったらきっと悲しむしそれこそ死んじゃうかもだよ。」

🇺🇸「親父、そんなに悲しむかなぁ。カナが死んだら悲しいだろうけど俺なんかが死んでも泣きやしないよ。親父は俺のこと悪い子って言ってたし。」

🇨🇦「それは昔の話でしょ?今はアメのこと大事な家族だって思ってるよ。」

🇺🇸「…カナがそう言うならそうなんだろうな」

🇨🇦「どう兄さん、父さんのことどうするの?」

🇺🇸「どうもこうも、親父には引き止めてくれる相手がいっぱいいるじゃないか。親父の兄弟達にフランス,スペイン,ポルトガル,ドイツとかさ…」

🇨🇦「じゃあさ、アメにはアメを止めてくれる人はいないの?」

🇺🇸「そうに決まってるだろ、だいたい俺は孤立してたからほとんど外交関係は無いし、寧ろ俺が死んで清々するやつの方が多いだろ。」

🇨🇦「僕は?」

🇺🇸「何言ってんだよ、止めるどころか一緒に死んでくれるじゃんか。」

🇨🇦「ふふっ、そうだね。」

🇨🇦「兄さんはいつ死にたいの?」

🇺🇸「いつって言ってもなぁ、そんなの考えてない。」

🇨🇦「んー、じゃあこの日は?」

🇺🇸「なんの日だ?」

🇨🇦「いーや?何でもない日だよ。普通に平日だし行事も被ってない。」

🇨🇦「この日でもいい?」

🇺🇸「あぁ、いいぞ。」

🇨🇦「よし!じゃあお部屋の片付けしなくちゃね。」

それから心中決行の日までアメと一緒に部屋の掃除、要らないものをまとめて捨てて、綺麗さっぱりしたところで予定まであと1日なことに気づいた。

🇨🇦「いよいよ明日だね兄さん。」

🇺🇸「そうだなカナ。」

アメはなんだか難しく思案しているようだった

🇨🇦「兄さん?」

🇺🇸「あぁ、いや。最後に今までお世話になった人達に顔合わせしようかなって。」

🇨🇦「あぁ成程。具体的には誰?」

🇺🇸「えーっと、親父,フランス,日本,あーあと正直会いたくないけどロシア」

🇨🇦「なんでロシア?」

🇺🇸「あいつ今はムカつくけど、昔はあいつの親と結構仲良かったんだよ、社会主義なのは許せなかったけど。」

🇨🇦「ふーん…じゃあその人たちに会う時に手土産でも持ってく?」

🇺🇸「お、それいいな!名案!!」

僕達は車に乗り込んで手土産を買いに色んなところを回った

そして最後に会いたい人にその手土産を渡した

なんの脈絡もなく急に贈り物をされたから相手はすごい驚いてたけど

ただ、あのロシアが何かあったら話せよって言ってたのにはこっちが驚かされたなぁ

まぁこの僕達の至福の時間を邪魔されたくないから適当にあしらったけど、そんな僕をあいつは冷たい目で見てた

🇺🇸「よし!最後は親父だな。」

🇨🇦「そうだね、いいお店で買った紅茶喜んでくれるかな?」

僕達は家に帰り玄関の鍵を開ける

🇺🇸🇨🇦「ただいまー」

🇬🇧「あぁ、お帰りなさいアメ、カナ。」

🇨🇦「ねぇねぇこれ!どうぞ!」

🇬🇧「なんですか?」

父さんが紙袋の中を覗く

🇬🇧「おや、これはお高めな紅茶じゃないですか。でもどうして急に?」

🇨🇦「うーん、気まぐれ?」

🇬🇧「はぁ、貴方達の気まぐれには付き合ってられないですよ。でも、ありがたく貰っておきますね。」

そう言って部屋の奥に行った父さんは嬉しそうだった

🇨🇦「アメ、父さん喜んでくれたね!」

🇺🇸「そうみたいだな、良かった。」

そういった兄さんはどうやらぼーっとしていた

🇨🇦「アメ?玄関寒いから早く中入ろ?」

🇺🇸「あ、あぁ」

リビングに入り父さんが入れてくれた紅茶を2人で飲んでいると、兄さんがうつらうつらしてきた

🇨🇦「おーい兄さん?」

🇺🇸「ごめん、俺ちょっと眠い…」

🇨🇦「もー仕方がないな一緒に寝てあげる！」

🇺🇸「別にいいって…」

🇨🇦「良くない！」

そう言って僕は兄さんの布団に潜り込む

兄さんも観念したのかのそのそと布団に入ってくる

🇨🇦「えへへ、、兄さんと一緒に寝るのなんていつぶりだっけ。」

🇺🇸「ごめん、ずっと1人にして。」

🇨🇦「大丈夫だよ兄さん。」

頭を優しく撫でてやるとすぐ寝てしまったようだ

僕もなんだか眠たくなってきちゃったなぁ

<イギリス視点>

🇬🇧「アメ〜?カナ〜？晩ご飯できましたから下降りてきてください!」

🇬🇧「聞こえてますか!? ごはん !ですよ!!」

🇬🇧「いつもだったらすぐ降りてくるのに、どうしたんでしょう…呼びに行きますか。」

コンコンコンッ(

🇬🇧「?返事ないですね…失礼しますよ?」

🇬🇧「おやおやこれは…珍しいですね。2人で添い寝だなんて。ふふっ、邪魔してすみませんでした。」

音を立てないよう慎重に扉を閉める

🇬🇧(書き置きでもしておきましょうかね。)

まだ温かい料理をラップで包み、冷蔵庫に入れる

🇬🇧(どうか幸せで…)

<カナダ視点>

決行日

🇨🇦「んっ、朝か…朝!?」

ガバッと起き上がり、アメリカの方を見る

まだすやすやと寝ているようだ

🇨🇦(兄さん…寝顔が天使みたいいや、僕の天使だよ兄さんは)

🇨🇦(もう少し寝かせておこうかな、僕がいなくなっちゃったら兄さんは寂しいかもだけどちょっと待っててね。)

アメを起こさないよう布団を抜けて1階に降りる

🇨🇦(ん?これは、)

[書き置き]

『アメ、カナ。起きましたか?

昨日の夜ご飯と今日の朝ごはんは冷蔵庫の中に入れてあります。電子レンジで温めて食べてください。

追記私は今日朝から会議があるのでもう行ってきます。お出かけする時は連絡下さい。』

🇨🇦「…父さんごめん、それはできないや。」

冷蔵庫から冷えきった料理を取り出し温めボタンを押す

この温まり終わるまでの時間がもどかしい

🇺🇸「カナ?カナ!?どこいったの!?」

🇨🇦「にいさーん！1階だよー」

ドタドタドタッ

🇺🇸「カナぁ、一緒にいてよ…ｸﾞｽｯ」

🇨🇦「ごめん、兄さん。」

ぎゅっと兄さんを抱きしめると、兄さんは顔を綻ばせる

🇨🇦「朝ごはんできたよ。っていっても父さんが作ったやつだけど。」

🇺🇸「ん、ありがと。」

ｶﾁｬｶﾁｬ….

🇺🇸「ん、珍しく美味しいな今日の」

🇨🇦「あぁー書き置きによるとだけど、昨日紅茶貰ったのが嬉しくて奮発してローストビーフ作ったんだって。」

🇺🇸「そっか、親父嬉しいときは表情に出せばいいのに。」

🇨🇦「…そうだね。」

🇨🇦「よし、そろそろ出発だよ兄さん。忘れ物ない?」

🇺🇸「あぁ、大丈夫。」

🇨🇦「行こうか。」

今までお世話になった家に「さよなら」と別れを告げる

二度と帰ってくることは無いそこは冬暁の冷たさを伝えてくるが、僕たちにとってはそこだけが暖かい居場所だった

ｷｨｰｰｰｯバタン

🇨🇦「最後の場所どこにする?」

🇺🇸「どこでもいいよ。」

🇨🇦「あのねぇ、なんでもいいがいちばん困るんだよ。」

🇺🇸「だって俺カナが行きたいところに一緒に行けるなら幸せだから。」

🇨🇦「」

🇨🇦「じゃあ!!ここ!!」

🇺🇸「ミネワンカ湖?聞いたことないな。」

🇨🇦「僕のお気に入りの湖だよ!自然に囲まれていて綺麗、僕だけの秘密基地なんだ♪」

🇺🇸「そうなのか、じゃあそこ行こう。」

🇨🇦「はーい!僕運転するから寝てていいよ!」

🇺🇸「ん、分かった。」

車を走らせること数時間

案外僕らの家から近いミネワンカ湖は目の前に迫っていた。

🇨🇦「兄さん着いたよー」

🇺🇸「んぅ、わっ綺麗…」

🇨🇦「でしょでしょ!!僕暇な時はいつもここに来るんだ!!」

🇺🇸「そう、だったのか。知らなかった…」

🇨🇦「あぁ、兄さんごめんね。いつも忙しそうだったから誘ったら迷惑かなって。」

🇺🇸「いいよ。俺今までこんな綺麗な景色見たこと無かった。いつも高いビル群に囲まれて灰色の雲の下でずっとパソコン眺めてることしかしてなかったから。ありがとうカナダ。」

🇨🇦「兄さん…」

あぁ、僕兄さんと出会えてよかった

🇨🇦「こっちこっち!足下崩れやすいから気をつけてね!」

🇺🇸「カナっ待ってよ早い」

🇨🇦「ほら、手繋いであげるから」

兄さんの手を引いて青い水面の上、静かな世界を滑っていく

服が冷たい湖水で濡れていくのは気にしない

2人とも胸元まで水に浸かったところで兄さんが言った

🇺🇸「カナダ」

🇨🇦「何?兄さん」

🇺🇸「なんでカナダは俺と死んでくれるの?」

🇺🇸「俺なんかのために死ななくてもいいじゃないか」

🇨🇦「ここまで来ておいてそれ言うの?」

🇺🇸「…」

🇨🇦「そうだね、可愛い兄さんに1つ教えてあげようか」

🇨🇦「一緒に死にたい理由、それは兄さんの特別になりたい。ただそれだけ。」

🇺🇸「特別…」

🇨🇦「そうだよ、特別。」

🇨🇦「兄さんは…植民地時代に父さんから暴力を受けた。逆に独立を支援してくれた国たちからは沢山の愛を貰った。僕が兄さんに与えられる初めては他の国に全部取られちゃったんだよ」

🇨🇦「でもさ、ぼく気づいたんだ」

🇨🇦「一緒に死んだら、その初めては奪われないでしょ ?」

声が震える

寒さのせいかはたまた緊張だろうか

🇨🇦「ね、兄さん。僕に、兄さんの初めての死をちょうだい…?」

🇺🇸「うん、…うん」

僕は震える手で兄さんを抱きしめる

僕が、崩れる前にそっとハグを

🇨🇦「僕兄さんに会えてよかったぁ…」

🇺🇸「おれ…もカナダと会えてよかった…」

手が動かない、目の前もぼんやりしてきた

最後の力を振り絞って「ありがとう」と言った

僕の命の最後だけは兄さんのために使おうと決めてたの、良いでしょう?

兄さんはまだ暖かかった

🇺🇸「カナダ…?」

🇺🇸「なぁ、カナダ?まだ、いかないでよ…」

🇺🇸「俺まだカナダに言いたいこといっぱいあるんだよ…」

だんだん体の芯が凍えてくる

どうやら終わりは近いらしい

🇺🇸「でも、よかったこれでカナダのところに…」

???「ーーーー!!!!」

…?白に囲まれてるここは、

<アメリカ視点>

🇺🇸「ん、」

🇬🇧「….!アメリカ!?分かりますか!!??

🇺🇸「おやじ…?」

🇬🇧「あぁ、目覚めて、ｯよかった…」

親父は俺が寝ている真っ白のベッドに突っ伏して泣いている

どうやら俺は失敗してしまったらしい

🇬🇧「…あ、看護師さん呼ばないと」

覚束無い手でナースコールが押されたすぐに看護師が部屋を訪れる

看護師「目覚めたんですね…現在の体調はどうですか、貴方湖のほとりで倒れてたんですよ、それも酷い低体温症で。たまたま通行人が通報してくれたから助かりましたが….」

🇺🇸「体調、いや今は何にも…」

看護師「そうですか…主治医にも伝えてきますね。とりあえず今日は安静にしておいて下さい。点滴もしてるのであまり動かないように。」

そう言い残して看護師が去っていく

🇬🇧「…ところでアメリカ、貴方、カナダを見てないですか?昨日からずっと帰ってきてないんですよ。」

🇺🇸「…は？」

親父の言葉に固まる俺はあの湖でカナダと心中したんだなんでカナダは見つかってないんだよ俺の目の前で俺を抱きしめて死んだのに

なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで

でも、こんなこと親父には言えないカナダと約束したから

🇺🇸「あぁ、いや。俺は知らない。あいつのことだからどこかフラフラ散歩でもしてるんだろ。」

🇬🇧「そ、うですか。そうだといいんですけどね…」

親父はブツブツ言いながら部屋を出ていってしまった

俺は病室の窓から外を眺める冬の寒空が俺を見下ろしているあのカナダの苦しそうな笑顔が頭に浮かぶ今カナダは何処にいるんだろ、俺を待っててくれてるのかなあぁ、俺もこんなところ逃げ出してカナダに会いたいよ

そんな想像をするが、俺は今沢山の点滴と勝手に外に出ないよう拘束具がつけられている現実が俺を縛りつけてくる

🇺🇸「カナダ….」

ぼーっとしているとまた親父が戻ってきたその手は沢山の物を持っていた

🇬🇧「病院生活は暇で暇で仕方ないでしょうから、暇つぶし出来るものをアメの部屋から持ってきました。にしてもあのアメが部屋片付けなんて珍しいです。流石に物少なすぎだとは思いましたがね。」

🇬🇧「…死にたくなったんですか?」

🇺🇸「….死にたいよ。」

俺が一言落とすと、親父は手を強く握り締めて俯く

🇬🇧「なんで、こんなことしたんですか」

🇬🇧「私は貴方のことまだ失いたくないです」

🇬🇧「お願いですからもうこんなことしないで」

震える唇がぽつりぽつりと言葉を紡ぐ

🇬🇧「ねぇお願いお願いですから… 死なないで…」

かける言葉が見つからなかった代わりにとでもいうように親父の頭をそっと撫でる

🇬🇧「…もう、どこにも行かないで下さいよ。」

そういって俺には顔を向けず静かに去っていった

暇、だなやることないし、ずっと外を眺めて思考を回らせるのにも疲れた

そういえば親父が色々持ってきてくれたんだっけ荷物の中を探ると俺のお気に入りの小説,CD,ぬいぐるみがあった片付けの時に思い出の品は残してたんだよな

小説を開きパラパラと前回読み進めたところを辿るもう何度も読み直して暗記してしまったそれはあまりにつまらなかった

CDをプレーヤーに入れてイヤホンをつけるボタンの無機質な音が嫌に反響する流れ出た正弦波はどうやら不協和音らしい

子供の頃親父が俺に買い与えたテディベアを眺める確かあの時は親父はいろいろと忙しくて俺との時間はとってくれなかったんだよなそんな時ずっと隣にいてくれたのはカナダだった

🇺🇸(…)

なぁカナダ今何してるんだ俺のせいで未来も何もかも失って俺の死もあげられなかった

ｺﾝｺﾝｺﾝｯ)))

🇺🇸「…?」

◼️「邪魔するぞ。」

🇷🇺「アメリカ。」

🇺🇸「…最悪。」

🇷🇺「アメカスでクソリカなお前の弱った泣き顔見にきただけなんだけど?」

🇺🇸「最悪。」

🇷🇺「まぁまぁそう言うなって、お前にプレゼント持ってきたんだよ。」

🇺🇸「はぁ?お前なんも持ってないじゃん。」

🇷🇺「お前ここから出たいんだろ?」

🇺🇸「はぁー….何故分かった。」

🇷🇺「…お前らが俺の家来た時、多分こいつら死ぬなって分かったんだよ。」

🇷🇺「だいたい、気まぐれで敵国の家に来るようなお前じゃ無いだろ。」

🇺🇸「はいはいそうですね、でプレゼントって?」

ロシアは俺を縛る拘束具を握った

🇷🇺「これ、ぶち壊してやるよ。」

🇷🇺「どうせお前のことだからまたあのメープル野郎に会いに行くんだろ?」

🇺🇸「…」

🇷🇺「図星、だな。」

そう言ってロシアはバキバキと音を立てながら拘束具を壊す

🇷🇺「ほら、拘束は解けた。点滴の針は自分で抜けよ。」

🇺🇸「おいロシア、なんでこんなことした?」

🇷🇺「xaxaxa、気まぐれだ。」

🇺🇸「性格悪いよなお前。」

そんなことを言いながら体中に差し込まれた針を1本1本抜いていくついに全て抜き終えた

🇷🇺「さっさと行ってこいよクソリカ。」

🇺🇸「言われなくても分かってるっつーの、じゃあなクソロシア。」

足早に歩き出す途中、看護師の声が聞こえたような気もしたがそんなのはどうでもいい

会いに行かなくちゃ

<ロシア視点>

俺はまだアメリカの病室にいた

まだ会わないといけない奴がいるからだ

…にしても、

あいつ今頃必死になって走ってんだろうな〜笑

息切れし、咳き込みながら走るアメリカを想像する

xaxaxa!!! うわ、想像するとだっせえ〜!!

あいつの無様な姿を想像して文字通り笑い転げてると

🇷🇺「はっ、とうとうお出ましかよ。」

🇷🇺「”元”太陽の沈まぬ国のブリカスさん?」

🇬🇧「ﾁｯ、なんで貴方がここにいるんですか。」

🇷🇺「お、見、舞、い」

🇬🇧「貴方なんかに見舞われれるとか死んでも嫌ですね」

🇬🇧「ほら、アメリカもこんなに不愉快そうに」

🇬🇧「は？」

どうやら今アメリカが居ないことに気づいたようだ

🇷🇺「はいはい、クソ野郎が何だって?」

🇬🇧「…貴方、何したんですか。」

🇷🇺「俺は拘束具を壊してあげただけだが?」

🇬🇧「だけ、じゃないでしょう。」

🇷🇺「だけ、だ。」

冷たい視線の睨み合いが続く

先に折れたのはイギリスの方だった

🇬🇧「…そんなことはどうでもいいです。早くアメリカを探しに行かないと。」

🇬🇧「ただでさえカナダも行方不明で捜索しているのに…」

イギリスは身を翻して病室を出ようとする

ガシッ(

🇬🇧「なんです?私急いでるんですよ。」

🇷🇺「まぁまぁ、ゆっくり話でもしようじゃないか。」

🇬🇧「急いでるって聞こえなかったんですか?遂に耳まで遠くなりましたか。」

🇷🇺「お前の方が俺の十何倍も年寄りだけどな?」

🇬🇧「いいから、離してください。」

🇷🇺「…それは出来ないお願いだな」

🇬🇧「は、」

イギリスの腕を掴む手に力をかけていく

🇬🇧「い゛っ、離せｯ！！！」

🇷🇺「それも、無理なお願いだな」

🇬🇧「何故こんなことするんですか!!私が早く行かないとアメリカが死んでしまうかも知れないんですよ!!!!」

🇷🇺「嗚呼そうだな。」

🇬🇧「は、」

🇷🇺「怯えずとも、じきに分かる。」

<アメリカ視点>

あれから何十分も走っている気がする

それもあの湖の正確な位置は分からないから、ほぼ勘で走ってる

でも、ここだよってカナダが言っている気がするんだ

視界が開けてきた

🇺🇸「ﾊｧｯﾊｧｯ…っひゅｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ」

🇺🇸「っふ、」

息を整えてあの場所を目指す

🇺🇸「あ…ここの桟橋見た気がする…うわっ!!」

気を抜いた拍子に躓いてしまった

🇺🇸「うぅ、痛い…」

びゅうびゅうと吹く雪風が視界を真っ白にする

もう足跡は見えなくなった

🇺🇸「カナダ、カナダっ…!!」

あぁ、もう死ぬんだ

俺はこんなところで、カナダにも会えずに

ごめんなこんな何も出来ないグズな兄で

…俺まだ死にたくないよ

???「──────!!!」

???「兄さん!!起きてよ!!!」

🇺🇸「────っ!!!」

目を開けるとやはりそこには白しか無かった

…いや正確には白もあった

さっきまでは無かったはずの足跡が続いていた

🇺🇸「カナダ…?」

凍えてもう感覚のない足を引き摺る

フラフラと覚束無い足取りで歩くから、何度も転んでしまった

血が流れ出る

擦れて肉が剥がれる

足首が曲がり遂に折れる

這って進む

あぁ、やっと

🇺🇸「カナダ、むかえにきたよ。」

俺は震える手でカナダの頬を撫でる

凍死したその身体はどこも温かさを持っていない

でも、もういいんだ

やっと会えた

いつも相談出来なくてごめん

結局カナダだけ残して助かってごめん

俺は臆病でカナダを想うしかできなかったんだ

でも、もう大丈夫だ

罪重ねたこの俺の命の最後だけは

カナダのために使おうと思ってたんだ

いいだろ?

傷付いちゃった俺らの思い出に

とびきりのエンゼルケアを

俺が崩れていく前にそっとキスを代わりに

🇺🇸「ありがとう、カナダ…」

<ロシア視点>

🇬🇧「このっ…!!離しなさい!!!」

🇷🇺「xaxaxa どのくらいお前を拘束してると思っているんだ?」

🇬🇧「2時間22分、本っ当に離して下さい!」

🇷🇺「はいはい。」

🇷🇺「…ミネワンカ湖であいつらが待ってるぞ」

🇬🇧「…!!」

何かに気づいたイギリスは今度こそ踵を返して走り去る

🇷🇺「なぁ”天使さん”、これで良いんだろ?」

◼️「うん!君ってば最高!!」

🇷🇺「…お前は最悪だがな」

<イギリス視点>

ロシアが言ったあの湖はアメリカが倒れていたところです

それに、『あいつら』って…

いやいや、そんなことありません、そんなこと無いはずです

車に鍵を差し込み勢いよく回す

微かに震える手であの湖までのナビを設定する

…今、行きますよ

やっと着きました

外気温は氷点下のようです

車のエンジンはそのままに車内から出る

🇬🇧「うっ…寒いですね」

こんなこともあろうかと分厚い上着を持ってきていて良かったです

🇬🇧「湖に来てみたはいいものの、こんな雪景色では探そうにも探せませんね…」

仕方なくとぼとぼ歩いていると桟橋が見えてきた

🇬🇧(…そういえば、カナダが湖の桟橋が綺麗な場所があるって言っていた)

🇬🇧(…?これは)

🇬🇧「血痕….??」

ずっと奥まで続いているようだ

🇬🇧「…追いましょう。」

血痕を辿るにつれ雪に落ちた血の量が多くなる

遂に血溜まりができてしまったようだ

そこからは布で擦ったかのように血が塗り広げられている

真っ白な雪に、その鮮血が映えていた

🇬🇧「っ…!!!」

一番見たくなかった光景を見てしまった

それも、2人

それは先程の赤ともう冷たくなってしまった青白い肌が並んでいた

🇬🇧「なんで…」

もはや悲しさを超えた絶望が私を迎える

カナダアメリカ

こんなところで、何で私も連れて行ってくれなかったんですか

私も、ここで

もう要らなくなった上着を雑に放り投げ蹲る

意識が朦朧としてきたところで、声が聞こえた

もう辞めてくれ

🇬🇧「う、」

🇬🇧「ここは、」

🇺🇸「親父!!」

🇨🇦「父さん!!」

🇺🇸🇨🇦「ただいま!!!」

🇬🇧「っ…!おかえり、なさい」

その言葉を言えて良かった

視界がブラックアウトした

─────さ──!!

─ギリ─さん─起─て!!

なんだ、夢か

ここまで閲覧頂きありがとうございます♪

後日エンゼルケアの考察や作中で明らかにしていない部分の答え合わせもしていきたいのでそちらの方もよろしくお願いします🙏

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博多の塩

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