第六話 . 止まることのない過剰摂取 _ 。
世良に横になるよう言われ続けている
俺が本や布団を散らかしたからだ
俺が暴れるのを止めるためだ
だが俺は横にならない
俺が横になったとてこの感情の逃げ道にはならない
薬を飲もう … 、 そうすれば …… 。
俺は薬を手に取る
世良が俺の手を掴み 、 薬を取る 。
“ は ? 返せよ ” 俺はそう言う 。
「睡眠薬の過剰摂取 、 天城先生からお話を聞きました 。 無理に止めたくないですけど 、渡海先生のお身体が心配です 。 」
世良はそう言った 。
天城から聞いたのか … 、
あいつはなんでそこまでして俺を止めたいんだよ … 。
お前に迷惑はかけてないだろ 。
数分後 、 天城が部屋に入ってくる 。
“ 征四郎 、 随分と暴れたようだね 。 ”
天城がそう言った 。
もう情報が出てるのか …… 、
いっそのこと 、 このまま …… 。
……… 、 ぃゃ 、 まだ … 。
近づいてくる天城に後退りをする 。
俺は今明らかに 、 何かに怯えている 。
… 俺は 、 お前に怯えているのかもしれない 。
俺に何度だって現実を見せようとして
何度だって薬を取り上げて
何度だって何度だって何度だって ! ! !
… あぁ 、 また暴れるのか 、 俺 。
「ゔぁ゙ぁ゙ぁ゙ … ! ! ! 」
お前に俺のこの痛みが取り除けるのか 。
「おまえなんて … ! ! ! 」
お前に俺のこの気持ちが分かるのか 。
「おまえなんて … 、 泣 」
でもお前じゃないと …
「俺は救われない … 」
“ 僕が救ってみせる ” お前はそう言った 。
だけどな 、 天城 。
俺にはこの痛みの原因が 、 分かんねぇんだよ … 。
もう俺なんて …
救われない存在でいい …
お前さえ笑っていれば 、 それでいい … 。
もう … もう … 、
迷惑なやつには … ならないから …
俺は … もう …
渡海の足は 、 着実に屋上へ向かっていた 。
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さいこーです!